103話 レイン、刃と忠告。 ページ12
絶叫。
「あ…………アァァァァアッ！！！」
右手に触れたのは、
倒れているラルだった。
何でラルが、
血溜まりの中で倒れてるの？
この血は…………誰の？
左手にも何かが触れた…………
否、私は左手に何かを握っていたのだ。
レイン「……………………ぁれ？」
鈍く銀色に光る刃が、
血で濡れていた。
待って、頭が回らない。
コレは何…………？
“何で私が持っているの？”
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー中原中也side 数分前
そこへは簡単にたどり着いた。
繁華街から少し離れた所にある、
もう使われてない大きな教会。
中也「お前らは、ここで待ってろ。」
血族が殺られれば、
その祖始にもダメージがいく。
ミオウ、
ゼカル、
アリザは頷いた。
アリザ「兄様、気をつけて。」
きっとこいつらの事だから、
本当は着いてきたいのだろう。
それでも、
俺を気遣って待っててくれる。
中也「あァ、行ってくる。」
俺の後ろに、
ラノアとゼフェルが続いた。
教会へと入っていく、
中は不気味なほどに静かだった。
中也「ラノア、お前の母親は何処にいるんだ？」
ラノア「わからん、母は私に興味などなかった。私が母について知っているのは日記に書かれていた事ぐらいだ。」
ゼフェル「確かに、ラヴァイの図書館の本にも記録は少なかった気がします。」
中也「相手の情報が少ないのは厄介だな。」
コツリコツリと、
俺たちは慎重に足を進めていく。
広間のようなロビーを抜け、
礼拝堂にたどり着いた。
ギィィィ…………
大きな扉は音をたてて開く。
ステンドグラスが美しく月の光を彩って、
誰かを照らしていた。
中也「…………レイン？」
見覚えのある顔、黒髪の…………女。
まさしくレインがそこに立っていた。
レイン「……………………ラ、ル？」
掠れた小さな声が、
戸惑ったように俺を呼んだ。
レインの回りには、
ライカらしき人影や気配は感じなかった。
足早にレインに近づいていく。
中也「あァ、レイン。俺だ。」
やっと、
やっとレインに会えた…………！
ラノア「…………おかしい。」
ゼフェル「ラノア殿？」
ラノア「ラルッ、ダメだッ！！」
俺はレインを抱き締めた。
レイン「…………ダメじゃないか、仲間の忠告も聞かずに抱きついては。」
中也「レ、イン…………？」
脇腹が熱を持ったように、
激しく痛む。
俺の腹には包丁が突き刺さっていた。
104話 ラノア、私は無力だ。→←102話 ライカ、橙色と赤毛の彼。
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なっちゃんりんご - 低評価されるのは誰でも悲しいと思います。お休みする事は気にしないで下さいね！つんつんさんのペースでいいと思いますよ！ゆっくり待ってますね〜 (2018年7月9日 22時) (
レス) id: 4d17e83c8d (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃんりんご - 初コメ失礼します！この作品大好きです！！中也の前世が吸血鬼という今まで見たことのない作品で興味が湧き、読んでみるとどハマりしました。これからどうなるのかとても楽しみです！応援してます！話は変わりますが、ハッピーエンドでお願いします！ (2018年6月30日 20時) (レス) id: 4d17e83c8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つんつん | 作成日時：2018年4月15日 13時
