音楽塾の男たち (ページ10)

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第2話 8年前の運命ページ10

大我サイド

樹「はい､分かりました｡では､失礼します」

テレビ・アクエリアスの楽屋で､インスタグラムに写真をあげていると､

派手なピンク色の髪でスーツを着た男がスマホを手に､頭を下げながら入ってきた｡

大我「樹､誰と電話してたの?(・・?)」

樹「社長｡それより､きょも!次の仕事が決まったよ(^-^)!」

大我「仕事?ミュージカル?」

樹「あー…それが､連ドラのゲスト出演なのよ」

芸能人になって､2年目｡

人間の世界に来て､高校に通いながらボイトレやダンスに演技のレッスンをし､

高校を卒業後に芸能界デビューをした俺｡

そんな俺を心配して､追うようにやって来たのが､

ピンク髪の男､田中樹｡

樹「きょもは連ドラに出演するのは､初めてだよね」

大我「うん｡で､どんなドラマなの?」

樹「探偵ドラマ｡きょも､探偵系好きじゃん」

大我「まさか､犯人役…(・_・;)?」

樹「えっと…俺の口から言えないから､台本で確認して(^_^;)」

樹は俺のマネージャーであり､恋人｡

そして､実はオンディーヌ一族と同じく､水の精霊であるニクス一族という人魚なんだ｡

ニクス一族は代々､オンディーヌ一族の人魚を守る役割を担っていて､

樹は俺の騎士(ナイト)でもある｡

常に俺を気にかけてくれたり､守ってくれたりと､

頼りになるけど､過保護な所があるので､ちょっと困っているんだよね(^_^;)｡

樹「そういえば嶺亜､社会見学でテレビ・アクエリアスに来るかもしれないんだって?」

大我「うん…今､師匠が頼んでいて､許可が取れたら見学できるって」

樹「俺の弟､社会見学はどこに行くんだろうな」

大我「あー､嶺亜と同じくテレビ・アクエリアスかもしれないってさ」

樹「マジかよ…(^_^;)」

樹も俺と同じく､ニクス一族の弟がいるんだ｡

そろそろ､時間的に学校が終わる頃かな?

その頃､嶺亜は…｡

嶺亜サイド

キーンコーンカーンコーン…｡

生徒「起立!気をつけ!礼!」

「「「さようなら!!!」」」

濱田「皆､また明日な!部活ある生徒は､遅れちゃアカンで～」

濱田先生が教室を出て､生徒達もぞろぞろと出ていく｡

俺も帰ろうと､通学鞄を手にしようとすると挙武が話しかけてきた｡

挙武「嶺亜､テレビ局は見学できそう?」

嶺亜「あー､まだ分からない｡ごめん(^_^;)」

朝のホームルームの後､社会見学の場所が同じということで､

挙武が自分を含め､俺と颯とガリさんと横原の分を濱田先生に提出した｡