音楽塾の男たち (ページ41)

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嶺亜サイド

手越『ご飯､食べてから部屋に入ったっきり､出てこないから｡大我も心配してるよ?』

お願い､塾長｡今は､話したくないんです…｡

手越『あっ!宿題が分からないとか?嶺亜､英語は苦手だったよね｡教えてあげる｡入るよ…』

嶺亜「入ってこないでっ(＞_＜)!」

手越『っ!?』

思わず､声をあげてしまった｡

あっ､しまった…塾長に何て事を…(;ﾟдﾟ)｡

手越『嶺亜…』

嶺亜「あっ､ごめん…なさい…｡宿題は､自分でやるんで…」

手越『えっ…わ､分かった｡ごめん…』

塾長が階段を下りる音が聞こえ､徐々に消えていった｡

俺､何をやっているんだろ…(-_-;)｡

塾長が他の人と仲良くやっているのを思い出しただけで､あんな事をするなんて｡

嶺亜「(ダメだ…宿題に集中できないや…(´・_・`))」

今度､如恵留先生に教えてもらいながら､やろうかな…｡

大我サイド

音楽塾の1階のベランダで､

アコースティックギターを弾いていると､

師匠がやって来た｡

何か浮かない顔をしている｡

大我「師匠｡嶺亜､どうでした?」

手越「宿題やっていたみたいだけど､手伝おうとしたら断られた｡しかも､声をあげて…(´・_・`)」

そう言いながら､師匠は俺の隣に座る｡

嶺亜が師匠に向かって､そんな事をするなんて…｡

手越「俺､あの子に何かしたかな…(´・_・`)」

大我「そんな事ありませんよ｡アイツ､師匠に懐いていますし｡師匠だって､嶺亜に優しいじゃないですか」

手越「だって可愛いし､俺のファンだし｡それに大我の言う通り､俺に懐いているんだよな｡あの子に何かした覚えは無いけどなぁ…(´・_・`)」

いつもポジティブな師匠が､珍しくネガティブになっている｡

2人が喧嘩するわけがないし､

嶺亜は何かあれば､俺か師匠に相談するはず｡

あの後､聞きづらくなった師匠の代わりに､

嶺亜に何かあったか聞いたけど､「兄さんには関係ないから!」と､言われてしまった｡

アイツと師匠の間に何があったんだろ…｡

嶺亜サイド

嶺亜「よいしょっと」

ゴールデンウィークに入って､数日が経った｡

音楽塾の庭で一人､草むしりをしている俺｡

今日は兄さんも塾長も仕事でいなくて､

音楽塾にいるのは俺だけだった｡

塾長と気まずくなってから､会話する事が無くなり､

俺はどうしたらいいかも分からなくなっている｡

ヤキモチを焼いただけで､こんな事になるとは…(ーー;)｡

当然､俺が悪いのは自分でも理解していた｡