3-19 ページ35
嶺亜サイド
大我「後悔先に立たず､って言うのかな｡浮所くんに酷い事をしたから､彼の事務所にはもういられないし､保護者代わりも無理だと思ったのかも」
手越「あの人には､向いてなかったのかもな｡浮所くんの保護者代わりは…」
塾長は､俺と兄さんの保護者代わりだけど､大変なのかな｡
嶺亜「あの､塾長」
手越「なぁに?」
嶺亜「塾長は､親のいない僕と兄さんの保護者代わりですよね｡僕達の事､どう思っているのかなって｡僕達の面倒を見て､大変じゃないかなって…(´・Д・｀)」
大我「嶺亜…」
浮所と金元さんの関係を通じて､気になったんだ｡
保護者代わりの塾長が､俺と兄さんの事を大切に想っているのか｡
手越「確かに､2人の保護者の代わりになって大変な事はあるよ｡だけど､一緒にいるだけで楽しいし､2人の事を知って距離を深めたいと思うもん｡2人は何か事情がありそうだから深追いはしないけど､俺は一人っ子だから､当時は生徒だった大我が居候したいとお願いされた時は内心､嬉しかった｡大我は歌を極めたくて音楽塾に通っていたし､従弟である嶺亜は俺のファンで大我の誘いで居候をお願いしたでしょ｡大変でも､2人がいて毎日が楽しいぐらいだよ(^-^)」
嶺亜「塾長…」
大我「師匠…」
手越「俺は2人と血は繋がっていないけど､いつか本当の家族になれるって信じているんだ｡嶺亜は居候したばかりだから､多少は戸惑っているけど(^_^;)｡家族は､助け合って乗り越えていくものだって俺は思う｡だからさ､少しずつでいいからお互いに頑張って､助け合っていこう(^-^)?」
大我「…そうですね､師匠(^-^)」
嶺亜「はい､塾長(^-^)!」
塾長がそう言ってくれて､めちゃくちゃ嬉しかった｡
俺と兄さんは真珠から生まれた人魚だから､親はいない｡
だけど､塾長は俺達の家族なんだ｡
そして､俺の恋のお相手…//｡
手越「さぁ､朝ごはん食べちゃいな｡学校､遅れるよ?」
嶺亜「あっ､はい!」
俺は急いで､朝ごはんを食べる｡
嶺亜「塾長､兄さん!行ってきまーす!」
手越&大我「行ってらっしゃ〜い(^-^)!」
俺はショルダー式の通学鞄を肩に掛けると､音楽塾を飛び出す｡
塾長の言う通り､本当の家族になると心の中で誓いながら､
バス停に向かって､走っていった｡
第3話『孤独な天才バイオリニスト』 終わり
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 12人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年5月11日 23時
