3-15 ページ31
手越サイド
手越「だからって､まだ高校生の彼にそんな事させるなんて…!」
金元「私は借金を返すためなら､手段を選ばないわ!」
手越「浮所くんを道具のように扱うなんて!あなたは､何を考えてるんですか!?」
金元「道具?勘違いしないで｡私は彼を有名にさせたくて､行動しているのよ!」
手越「それでも､浮所くんの保護者代わりをやっているつもりですか!?」
金元「…っ!?」
手越「同じ保護者代わりの立場である､僕から言わせてもらいます｡あなたはマネージャー兼､保護者代わりとして失格です!」
金元「なっ…!?」
浮所くんのマネージャーさんはそれ以上､何も言わなくなってしまった｡
手越「さて…もう､出てきていいよ｡全部､聞いていたでしょ?」
金元「えっ…( ; ﾟДﾟ)!?」
少しして､嶺亜と猪狩くんに連れられた浮所くんが､ゆっくりと出てきた｡
嶺亜サイド
金元「飛貴…あんた､私の話…聞いていたの?」
イラついているのか､マネージャーさんは声を震わせながら聞くと､浮所は頷いた｡
というのも､実は数分前にレッスン室に行くように指示された時の事だった｡
(第3話の3-13)
手越「それから､嶺亜｡(耳打ちして)スマホに電話を掛けるからボタンを押して､スピーカーモードにして､会話を聞いて｡レッスン室は防音になっているから､ここからでも聞こえないよ」
嶺亜「…分かりました」
浮所はレッスン室で､塾長とマネージャーさんの会話を聞き､
マネージャーさんの想いを聞いて､ショックを受けていた｡
浮所「稼いでもらいたいと､口酸っぱく言っていたのも､その為だったんですね｡金元さん…」
金元「…えぇ､そうよ｡あんたを色んな所に売り込んで､沢山稼いでもらって､あんたが稼いだギャラで私の借金を返却しようと思ったのよ!なのに…なのに…!」
浮所「何が言いたいんですか?」
マネージャーさんに問いかける､浮所の声が冷たく答えた｡
金元「この所､バイオリンの調子も悪いみたいだし､これじゃあ意味がないじゃない!あんた､それでも天才バイオリニスト!?そんなんだから…」
浮所「俺は金儲けの道具じゃないっ(｀ヘ´)!!」
金元「なっΣ( ﾟДﾟ)!?」
猪狩「浮所…」
手越「浮所くん…」
とうとう我慢できなかったのか､浮所の堪忍袋の緒が切れた｡
浮所「俺､本当は弁護士になるのが夢で､バイオリニストになんてなりたくなかった｡だけど､小学生の時に大会で優勝したキッカケで…」
浮所は辛そうに話し始めた｡
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年5月11日 23時
