◆2115. ツマラナイ ページ10
Ｎｏ ｓａｉｄ.
せっかく止血したその腕から、血が滲み出ている。
その光景を見たジャミル・バイパーは焦り、動揺し、「す、すまない……」と、再度止血をしようとAに手を伸ばすが、その手は、触れていいものなのかと迷ってしまう。
Aに、拒絶されてしまうんじゃないかと、
『ジャミル先輩』
ジャミル「！」
Aはジャミル・バイパーの手を取り、その手を揉み解す。
『お客さんめちゃくちゃ手に力が入ってますねー。 １回力を抜きましょうねー。 落ち着きましょうねー。 Aちゃんは何処にも行かないからねー』
ジャミル「＿＿＿……」
軽めの口調でジャミル・バイパーの手を揉み解すAは彼に怖気づくどころか、その手を離そうとはしなかった。
ジャミル「…………君は、」
『……』
ジャミル「俺のことを、��出しゃばり��だと思うか？」
やっと絞り出せた言葉が、それだった。
口に出して、俺は何を言っているんだ、と恥ずかしくなった。
『うんや？ 別に』
ジャミル「……そうか」
『？』
ジャミル「いや、君に話すようなことじゃなかった。 変なことを聞いてすまない」
この話は終わり、
『まあ、君が何かしらレオナ先輩と関わるにあたって悩みが出来るような出来事があった、っていうことは予想できたんですけど、当たってます？』
ジャミル「……」
どうやら終わらせてはくれないようだ。
『無言は肯定として受けとりますねー』とヘラヘラと笑うA。 クソが。 人の気も知らないで。
ジャミル「君はレオナ先輩を理解しているんだな」
『いんや？』
ジャミル「え？」
『当たり前じゃないですか。 他人を完璧に理解するなんて夫婦でも難しい事なんですよ？ 僕にとって、レオナ先輩は��ただ人の使い方が上手い奴��ってだけですから。
それ以外はなーんにも知りませんよ。本当に』
Aはそう言って目を伏せた。
レオナ・キングスカラーの過去を知ったとしても、そんな事でレオナ・キングスカラーの全てを知ったなんて思えない。 思いたくもない。
じゃないと、つまらないじゃないか。
知らなかったことを１つだけでも知れた時、なんだかとても嬉しく思えてしまうのだ。
『いいじゃないですか。 悪いところたくさん見られて。 隅から隅まで善人を醸し出してくるほうがよっぽど気持ち悪いですよ』
Aはニヒッ、と笑った。
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冬雪(プロフ) - たまごっちさん» コメントありがとうございます。これからも夢主達のことを見守っててくれたら嬉しいです (2022年8月12日 15時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
たまごっち - "男"の手は彼女達をすり抜ける。……ということはもう、お父さんって…あぁぁぁ、続きが楽しみすぎる！！！夢主ちゃんとイヴちゃん、幸せになって…(泣) (2022年8月12日 11時) (レス) @page37 id: 761df69c60 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - とうもろこしさん» コメントありがとうございます。父親参戦です (2022年8月12日 9時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
とうもろこし - お、お、お父さん！？！？夢主達、少しづつ記憶を取り戻してきてるってこと…？ (2022年8月12日 9時) (レス) @page37 id: 761df69c60 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - トワさん» コメントありがとうございます。ふとした時に雰囲気変わるスカラビアいいですよね。頑張ります (2022年8月11日 22時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2022年7月23日 0時
