◆2114. 弾ケル 激情 ページ9
Ｎｏ ｓａｉｄ.
ジャミル「……………………は？」
ジャミル・バイパーは再び、手を止めた。
『僕ね、本当は怪我なんてしたくないんですよ。 実際、君の手を煩わせているし、魔力がないから自己治癒できないし、すぐに治らないから痛いままだし、良いことなんてない』
ジャミル「……」
『魔法が効かないから強いってわけでもないし、僕は、安全な場所から君らの危険な戦いを見ていることしか出来ない。 だから、迷惑なんてかけたくないのに、空振ってしまうのはどうしてなんでしょうね』
ジャミル「…………贅沢な悩みだな」
そう言ったジャミル・バイパーに、Aは表情を変えずに視線を移した。
深く被ったフードと、前髪のせいでよく表情は見えないけれど、口元が引き攣って無理矢理口角を上げていることがわかる。
ジャミル「簡単なことさ。 前に出なければいい。 魔法が使えない奴はただ後ろで、戦っている奴らを応援すればいい」
そうすれば、��出しゃばり��なんて言われずに済むのだから。
『ジャミル先輩はそうしてきたの？』
ジャミル「…………は？」
『ジャミル先輩はそうしてきたの？ ずっとレオナ先輩の後ろで、戦っているレオナ先輩を応援しているだけだったの？ レオナ先輩だけで��雷霆の槍��を持つことになんとも思わなかった？ それが当然だと思った？』
ジャミル「違う！！！」
ジャミル・バイパーは加減なくAの両腕を掴んだ。
処置が中途半端な腕から、血が包帯に滲み出る。
ジャミル「俺は、……俺はずっと、あの人の前に立って戦っていたさ！ それが当然だと俺は思っていたから、だから………………」
��出しゃばり��だなんて、言われたくなかった
何かを抑え込むように吐く、荒れた息。
ジャミル・バイパーは吐き出そうとした。
けれど、上手く吐き出せなかった。
もう、何かを曝け出す方法を忘れてしまったから。
オーバーブロットの時は、ただもう、自分が自分じゃなくなっていた。 アレは確かに自分だった。 けれど自分じゃない。
気分が高揚し、なにもかもが自分にとってはどうでもいいモノに見えた。
思えば、アレは自分にとって一種の��救済��だったのかもしれない。
ジャミル「(俺、は……………………)」
『痛いよ、ジャミル先輩』
ふと、聞こえたAの声でハッ、とする。
すぐにAから離れるが、ジャミル・バイパーは目を張らせた。
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冬雪(プロフ) - たまごっちさん» コメントありがとうございます。これからも夢主達のことを見守っててくれたら嬉しいです (2022年8月12日 15時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
たまごっち - "男"の手は彼女達をすり抜ける。……ということはもう、お父さんって…あぁぁぁ、続きが楽しみすぎる！！！夢主ちゃんとイヴちゃん、幸せになって…(泣) (2022年8月12日 11時) (レス) @page37 id: 761df69c60 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - とうもろこしさん» コメントありがとうございます。父親参戦です (2022年8月12日 9時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
とうもろこし - お、お、お父さん！？！？夢主達、少しづつ記憶を取り戻してきてるってこと…？ (2022年8月12日 9時) (レス) @page37 id: 761df69c60 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - トワさん» コメントありがとうございます。ふとした時に雰囲気変わるスカラビアいいですよね。頑張ります (2022年8月11日 22時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2022年7月23日 0時
