◆2110. 彼女 ガ 持ッテイルモノ ページ5
Ｎｏ ｓａｉｄ.
ジャミル「…………間違えた」
『間違えてない間違えてない。ほら先輩、ここに君の可愛い後輩がいますよー』
ジャミル「昏くてよく見えないな」
『諦めんな！愛があれば見えるはず！』
ジャミル「愛がないから見えないんだろ」
『くそぅ！』とAは不満を吐き出した。
予想外の迎撃を仕向けられた彼らは、束の間の撤退を余儀無くされ、ジャミル・バイパーは自分のチームのリーダーであるレオナ・キングスカラーの手を無我夢中で掴んだ、はずだったが、偶発的に意図せず掴んだのはAの腕だった。
しまった、と。
ジャミル・バイパーは頭を抱え、息を吐いた。
ジャミル「(レオナ先輩は王族だし、何かあれば…………それに、よりにもよって間違えて引っ張ってきたのがAだなんて……)」
レオナ・キングスカラーのことも心配だが……いや、彼は、彼にとっては心配はありがた迷惑と卑屈に変換されてしまうんだった。
問題はAだ。
女で、後輩で、魔法が使えないのに、彼女は自分よりも遥かに��良いもの��を持っている。
普段であれば彼女を��能天気な奴��と思えるのに、今のジャミル・バイパーにとって、彼女は��光��だ。
自分に照り続け、焼き焦す、厄災。
あのレオナ・キングスカラーですらも欲した、天災。
そのため、現状、昏くて良かったと、ジャミル・バイパーは心から安堵したのだ。 光を浴びずに済むから。
『レオナ先輩じゃなくて申し訳ないですね。 まあ、この状況だったら自分より歳上の奴が居てくれたら幾分かマシになりますよね。わかります』
ジャミル「誰もそんなこと言ってないだろ」
『まあまあそう言わず。 どうでしょう？ ここは１つ、僕がレオナ先輩の役をやりましょうか？』
ジャミル「…………は？」
やはり��能天気な奴��なのかもしれない。
この、緊迫とした状況で、緊張感のないことを言いだすAの発言に、ジャミル・バイパーは呆気を取られた。
『今、自分の足元しか認識できない今、視覚が使いものにならない今、頼りにできるのは自分の聴覚。つまり声。 ジャミル先輩は今、僕のこの高くもなく低くもない聞いてて不快にならない声で僕だと認識できていますよね？』
ジャミル「……君、自分で言ってて恥ずかしくないか？」
『恥ずかしくないね。事実だから』
Aは得意満面を浮かべた。
.
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冬雪(プロフ) - たまごっちさん» コメントありがとうございます。これからも夢主達のことを見守っててくれたら嬉しいです (2022年8月12日 15時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
たまごっち - "男"の手は彼女達をすり抜ける。……ということはもう、お父さんって…あぁぁぁ、続きが楽しみすぎる！！！夢主ちゃんとイヴちゃん、幸せになって…(泣) (2022年8月12日 11時) (レス) @page37 id: 761df69c60 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - とうもろこしさん» コメントありがとうございます。父親参戦です (2022年8月12日 9時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
とうもろこし - お、お、お父さん！？！？夢主達、少しづつ記憶を取り戻してきてるってこと…？ (2022年8月12日 9時) (レス) @page37 id: 761df69c60 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - トワさん» コメントありがとうございます。ふとした時に雰囲気変わるスカラビアいいですよね。頑張ります (2022年8月11日 22時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2022年7月23日 0時
