◆2109. 途絶エル 安寧 ページ4
Ｎｏ ｓａｉｄ.
それに続き、ヴィル・シェーンハイトも足を止めた。
ヴィル「どうしたの？」
レオナ「セキュリティボックスっつーのは、アレか？」
光の玉を飛ばし、壁に設置されたセキュリティボックスらしきものを照らす。
「ああ、そうそう。……でも、残念ね」
ヴィル・シェーンハイトは落胆した。
セキュリティボックスは無惨にも破壊されており、挙句の果てには中身も持ち出されている状態だった。
レオナ「あのロボットが持ち出したってわけじゃあなさそうだな」
ヴィル「ええ。オルトが犯人だとしても、こんな大袈裟に壊したりなんかしない。する必要がないもの」
無理矢理こじ開けられたような痕跡、そしてセキュリティボックスの周りに散りばめられた粘着質な黒い液体に気づいたレオナ・キングスカラーとヴィル・シェーンハイトはその目を張らせる。
ヴィル「まさか、ファントムが自らキーを盗んだ……？」
レオナ「中には俺らを騙すためにあの手この手を使う無駄に頭が回るヤツがいるらしいな。 この階層の収容所には手を焼かせるファントムが収容されている。 人間と同等の知能を持ったファントムがいてもおかしくねえ」
ヴィル「もしかすると、自らキーを使ってケージの外に出ようとしているのかも…………あの子達と離れるのは誤算だったわ」
レオナ「それも含めてのあのロボットの罠なんだろうが。 キーが盗られたってんなら奪い返せばいい」
ヴィル・シェーンハイトは頷き、彼らは自身の背後に視線を移す。
レオナ「……おい、ヴィル」
ヴィル「……ええ。 囲まれてる！」
暗闇のせいか、連戦により募った疲労のせいか、ヴィル・シェーンハイトとレオナ・キングスカラーは自分が複数体のファントムに囲まれているということに漸く気づいたのだ。
彼らの肉を欲する声、彼らを自分達の仲間に引き入れようとする声、恨めしそうに唸る声。 そんな様々な阿鼻叫喚が響鳴している。
レオナ「おーおー、血気盛んなこって」
ヴィル「良かったじゃない、レオナ。アンタの得意分野でしょう？躾のなってないコを手懐けるの」
レオナ「いいや、お前には負けるね。 俺はそんなネチネチしてねえよ」
レオナ・キングスカラーはステッキを、ヴィル・シェーンハイトは魔導書を召喚し、身構える。
余計な事なんて考えられない。
ただ目の前の敵に神経を注ぐ。
.
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冬雪(プロフ) - たまごっちさん» コメントありがとうございます。これからも夢主達のことを見守っててくれたら嬉しいです (2022年8月12日 15時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
たまごっち - "男"の手は彼女達をすり抜ける。……ということはもう、お父さんって…あぁぁぁ、続きが楽しみすぎる！！！夢主ちゃんとイヴちゃん、幸せになって…(泣) (2022年8月12日 11時) (レス) @page37 id: 761df69c60 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - とうもろこしさん» コメントありがとうございます。父親参戦です (2022年8月12日 9時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
とうもろこし - お、お、お父さん！？！？夢主達、少しづつ記憶を取り戻してきてるってこと…？ (2022年8月12日 9時) (レス) @page37 id: 761df69c60 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - トワさん» コメントありがとうございます。ふとした時に雰囲気変わるスカラビアいいですよね。頑張ります (2022年8月11日 22時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2022年7月23日 0時
