◇500.共感 ページ21
.
カリム「これからも
助け合っていこうな、ジャミル!」
ジャミル「やめろ」
カリム「ジャミルだけは
絶対にオレを裏切ったりしない」
ジャミル「もう、やめてくれ!!」
ジャミル先輩の悲痛な叫びが直接頭に響く。
ジャミル「カリム、お前がいるだけで
俺は……俺は
ずっとお前に譲って
生きていかなくちゃならない!
ジャミル「……俺は、」
『……』
ジャミル「俺だって＿＿一番になりたいのに」
どことなく、レオナ先輩に似ていた。
こいつらの事情に、あれこれ言う程、僕は礼儀知らずではない。生まれや育ちが違うのは、もうどうにもならないのだ。
とりあえず、僕はジャミル先輩の近くにしゃがんでジャミル先輩の肩にポンっ、と手を置く。
『ジャミル先輩、僕、君に伝えたいことがあるんだ』
ジャミル「……」
『あれはイラつくわ』
ジャミル「だろ！？」
僕の言葉に共感したのか、勢いよく顔を上げたジャミル先輩。
ジャミル「こっちが手加減してやってるのに、アイツの嬉しそうな顔を見ていると本当にイライラするんだ！」
『本人には悪気がないからタチ悪いよなー』
ジャミル「大人の奴らも、自分達の事情を押し付けて、口を揃えて��お前は賢いから��なんて言って逃げるから、それもイラつく！」
『大人の事情ってやつだねー』
ジャミル「毎回毎回、俺はアイツのせいで、本当は出来る事なのに出来ないフリして……それが、どれだけもどかしいのか、お前は知らないだろうな。
ダンスの賞も俺だって欲しかった。マンカラだってカリム相手なら何回だって勝てた。テストも、あれくらいなら９０点以上余裕で取れた」
すると、ジャミル先輩は悔しそうに涙を流した。
僕はイヴが泣いた時に慰めるように、ジャミル先輩の背中を撫でながら手を握る。
ジャミル「……でも、そんなことしても、誰も褒めてくれないんだ。誰も、俺を認めてくれないんだ。だから、俺はああするしかないんだ……！」
『……そっか……報われないんだね、君は』
ジャミル「……っ」
『努力しても報われない人、僕初めて見たよ』
ジャミル「……っ」
『でも、僕は君の手を離さないからな』
ジャミル「……！」
その瞬間、砂時計は動きを止めた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 657人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
冬雪(プロフ) - ブルーサファイアさん» ご報告ありがとうございます (2020年10月4日 18時) (
レス) id: a124ecb095 (このIDを非表示/違反報告)
ブルーサファイア(プロフ) - 507話の『お前の宴好き、なんとかならないのか？』のところなんですけどアズールのセリフになってますが喋り方からしてジャミルではないでしょうか？ 何度も読み返してます！頑張ってください！ (2020年10月4日 15時) (レス) id: bd3a10c6c4 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - moekaさん» ◆１５◇のProfileで詳しく書いたつもりのものがありますのでそちらへお願いします (2020年8月25日 17時) (レス) id: cd043d76e1 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - それぞれの監督生の性格などが詳しく知りたいです。検討をお願いします。 (2020年8月25日 16時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - 冬雪さん» ありがとうございます(*´▽｀*) (2020年7月29日 10時) (レス) id: ebf2abea67 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冬雪
| 作成日時：2020年6月24日 0時
