◇129.売られた喧嘩は ページ35
.
男に胸ぐらを掴まれると、不意に聞こえた声に男に一発かまそうとしていた拳を止める。
目を向けると、僕から見て右目に傷がある獣耳の男と、その隣にラギーがいた。
『あ、ラギー』
僕が呼ぶとラギーは軽く手を振った。
「レオナ寮長！」
「こいつら、人の縄張りに土足で上がり込んでんですよ！」
「ちょっと痛い目みせてやりましょうよ〜！」
『女に暴力振るうとか最低だな』
「あ"？」
僕の胸ぐらを掴んでいる男を睨み付けると、何故か男は怯んだ。
グリム「ああっ、オマエ！
デラックスメンチカツサンド！」
ラギー「ちょっとちょっと。人の名前を勝手に美味しそうにしないでほしいッス。
オレには��ラギー・ブッチ��っていう男らしい名前がついてるんスから」
「レオナさん、ラギーさん、こいつらやっちまいましょうよ！」
レオナ「ワンワン騒ぐんじゃねぇよ馬鹿ども。
暴力沙汰なんか起こして、マジフト大会出場停止にでもなったらどうする気だ？」
「縄張りを荒らしたヤツを見逃すんですかァ？食い出がありそうな獲物なのに〜」
暴力しか頭にない男の方が大体痛い目見るよなー
なんて思いながら僕は僕の胸ぐらを掴んでいる男の足を踏んだ。
「ぐあっ！！」
「あー！この女、暴力振るいやがった！」
『正当防衛だっつーのバーカ！』
「おいおい、そんな口聞いていいのか？こっちにはまだ女が１人いるんだぞ〜？」
イヴ「っ」
『人質とるとか汚ねぇ奴だな。触りたくもねぇ』
レオナ「その女の言う通りだ。人質とか汚ねぇマネすんな」
意外にも寮長がそう言った。
そしてイヴの肩を掴んだ男は渋々離して、解放されたイヴは真っ先に僕に駆け寄って、抱き着いた。
イヴ「Aちゃん……っ」
『おー、よしよしよーし』
レオナ「誰も見逃すとは言ってねぇ。
ここは��穏便��にマジカルシフトで可愛がってやろうぜ」
「マジフトで？」
レオナ「試合中ならどれだけ魔法を使っても、校則違反にはならねぇからな」
ラギー「シシシッ！
レオナさんってば意地悪ッスねぇ。こんな弱そうな奴ら、ワンゲームと持たないッスよ」
ラギーの言葉にカチンときたのかグリム達は売られた喧嘩を買おうとしている。
ケイト「Aちゃん達は離れた場所で見ててね」
『僕も参加する！』
ケイト「Aちゃんは魔法使えないでしょ？」
『……』
僕は腹いせに石を蹴った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1298人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
冬雪(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。面白い、と思ってくれて嬉しいです (2022年12月8日 18時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - めっちゃ面白すぎる！！ 夢主ちゃん良い子すぎて泣ける、、、 (2022年12月8日 16時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - Rukia (ゆっくりゆる)さん» コメントありがとうございます。少しでも楽しめたら嬉しいです (2021年4月11日 23時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
Rukia (ゆっくりゆる) - 120話ツボりました。他の話もですけど面白かったです。このやr((殴 すとーりーおおいねぇ。(思考停止) (2021年4月11日 21時) (レス) id: 2e12baa0e6 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 13番さん» 報告ありがとうございます (2020年9月6日 14時) (レス) id: a3f0fbae31 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冬雪
| 作成日時：2020年4月6日 4時
