【刀剣乱舞】妖物語 (ページ23)

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116.おやすみページ23

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「まったく……無茶するんだから」

『すみません……』

外はすっかり暗くなり、目を覚ました時には大分楽になっていて身体も軽く感じるくらいには回復したと思う。

燭台切さんが作ってくれたお粥を食べて、薬研くんが処方してくれた謎の風邪薬を飲んで、加州さんが淹れてくれたお茶を飲んで一息つく。

「そういえば薬研の薬どうだった？」

『え……？普通のお薬じゃないんですか？』

「いや普通の薬なんだけど、時々変な薬を作る時があるから少し心配してたんだけど、副作用とかないっぽいし、大丈夫ならそれでいいんだけど」

『……私が見たことない色をしていた風邪薬は安全ですか？』

薬研くんが持ってきた薬は粉状の虹色の薬だった。

一体どんな物を調合したらこのような色になるのだろうと思いながら水と一緒に流し込んだのだが果たして本当にあの薬は安心出来るものなのか。

加州さんは＂何も言えぬ＂とでも言いそうな微妙な困った表情を浮かべていた。

『……薬研くんのことは信頼していますが私が突然また倒れた時は介抱してくださいね……』

「安心しなよ。治癒力の高い審神者は毒を含んでも体内で毒素を浄化するから」

『……本当ですか？』

「って聞いたことある」

もう、どうにでもなれ、である

私がお茶を飲み終えると加州さんが私から湯呑みを奪い取り、私を強制的に布団に寝かす。

「アンタはもう寝な」

『……主が食って寝てばかりで大丈夫でしょうか』

「病人なんだからいいのっ」

そう言って加州さんは私の頭を撫でる。

「明日は学校休みなね？連絡しといてあげる」

『(……せっかくの皆勤賞が)』

まさかこんなにも早く皆勤賞が砕け散るとは……

それにしても異様な光景だ。風邪を引いている私の面倒を見ているのは両親でも死んだ祖母でもなく血の繋がりもない少年や青年や男性の見た目をした神様なのだ。異様である。

『(……甘えても良いのだろうか)』

「なんか欲しいものとかあったらいいなね」

『(……やばい、甘やかされている)』

「遠慮するくらいなら早く寝て早く風邪治せ」

『はい』

まるで心を読まれたかのようだった。私はすぐに返事をして瞼を閉じるが眠れる気配がない。

すると小さい子供をあやすかのように優しく私の頭を叩く加州さんは優しい声で私に言う。

「おやすみ」

その言葉は、私を眠らせるには十分な言葉だった。

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