78.耳ヲ傾ケナイ ページ32
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一「……あんた、何でそんなに
一生懸命なの?…どうせ死ぬんだよ?
あのジジイは誰にも気付かれることなく
ベットの上で死ぬんだ。
どうせ、俺たちの姿は見えないんだから」
貴「私が、唯一知る人物です!」
一「…まぁ、そうだろうな…」
貴「大切な人が死ぬ事は私はよく
知ってます……だから、もうちょっと
待ってもらえませんか?」
一「……そんなの、俺だって知ってるよ…」
お「…………」
貴「…え?」
一松さんが、何かボソッと呟いた。
でも、何を言ったのか聞こえなかった。
一「ダメ」
貴「!…どうして…」
お「おい一松、一週間くらい
待ってやれよ」
一「意味なんてないよ。だって
どうせ死ぬんだ。」
一松さんの瞳が紫色に光った気がした。
…でも、聞いてもらえない…
死神さんって…やっぱり本能に赴くままなんだ
貴「……可哀想です……リャナンさんが
可哀想です!!」
その瞬間、一松さんが私の
襟を掴み持ち上がられる。
一「じゃあ、お前に何が出来るってんだよ!!
普通の人間のくせに!!
なんなら、歌でなんとかしてみろよ
寿命が伸びる歌があったら見てみたいわ!!」
お「おい一松!!やめろ!!」
今、凄くわかる。
一松さんの目がハッキリと
紫色になっていた。
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作者名:雨雪 花 | 作者ホームページ:http://HI.END.WOLD 1017
作成日時:2016年7月31日 21時