71.ナミダノ死神 ページ25
一松.
一「……………」
止め止めなく涙が出る。
悲しくもなんともないのに…
涙が出るんだ。
だから
泣き跡を見られないように
フードを深く被る。
おそ松兄さんとトド松には絶対
馬鹿にされる。
クソ松と十四松とチョロ松兄さんには
何故か心配される。
馬鹿にされるのも嫌だし
心配されるのも嫌だ。
あいつは…?
いや…ゴミみたいな俺になんて
心配なんてしてくれない。
クソ松みたいな心の底から心配してるような
目では見られない。
心の底から心配してくれる奴なんて
身内だけ。兄弟だけ。
貴「一松さん!おはようございます!」
一「…………」
森を歩いてたら、女に出くわした。
眩しいくらいの笑顔で挨拶してくれた。
うわー…絶対嘘だ。こんなアイドルだか
営業スマイルみたいな笑顔
絶対演技だ。
貴「今から何処かへお出かけですか?」
一「……別に」
貴「お散歩ですか?」
なんか…ムカついてきた。
俺は女の横を通りズカズカと
前へと進む。
貴「あ、一松さん……」
なんだその、寂しそうな声。
知らない知らない。
女なんて知らない。
俺には、兄弟がいてくれればいい。
俺は死神だし。
死神はみんなの嫌われ者だから。
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作者名:雨雪 花 | 作者ホームページ:http://HI.END.WOLD 1017
作成日時:2016年7月31日 21時