*初恋相手 【銀時side】 ページ46
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「おい、お妙。Aはどんな様子だ」
「まだ熱が下がっていないわ。でも、お医者様は肺炎の治りは順調ですって。」
「そうか。
あいつらは」
「神楽ちゃんと新ちゃんには、今食べ物を買ってきてもらってるわ。
銀さん、桂さんは?」
「あいつも、明日頃にでも退院できるっつってたから、連れてくる」
「そうしてあげて。目覚めてから、家族の顔が見えないと不安だもの……」
「ああ……」
あのお見合い騒動から2週間。
西山は、生きられる程度の急所を斬られ、
ヅラも大勢の敵と相手をしていたせいか、刀傷じゃなく足の捻挫やら右手の骨折やらの治療で、入院中。
神威と阿伏兎は、俺たちが着いた頃には既に居なくなっていて、その代わり馬鹿でかい番傘を、Aの元に残してった。
そんなAは、あの後病院に運ぶと、慣れない環境のストレスで高熱が出て、それを拗らせ軽い肺炎に。
咳のしすぎが原因の吐血も、今ではすっかり治り肺炎も順調に治ってきているらしい。
俺とヅラの判断で、病院ではなくお妙と新八の家に寝かせているあいつ。
あそこだと、様子を新八からも聞けるし行きたい時にいつでも行ける。
あいつがあの
その代わり、俺たち万事屋と月詠達も日替わりで、Aの家を掃除していた。(この分の労働を、後できっちりと頂く手はずだ)
辛そうに息を吐くAの枕元には、大きな番傘と細長い箱。
お妙曰く、俺たちが来れなかった日に、阿伏兎が持ってきたとか何とか。
汗で少しへばりついた、サラサラなこいつの前髪をそっと払うと、持ってきたジャンプを開いた。
……にしても、だ。
ヅラが言っていた、あの言葉。
“ 初恋相手を傷つけるなんて許さない……そう言っていた。
銀時、お前、何か知ってるか? ”
「初恋相手、ねェ……」
「あら、初恋相手がどうかしたんですか?」
どうやら、独り言が聞こえてたようで、ぬるくなったタオルを交換しに来たお妙が、聞いてきたもんだから、仕方なく答えた。
「ヅラが言ってたんだ。A、西山を斬る前に、初恋相手を傷つけるなんて許さない……ってな。
俺とヅラには、さっぱりだから、一体誰のことを指していたのか……」
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rikohuku0428(プロフ) - 続きのパスワードが知りたいです!面白いのでぜひお願いします! (2020年11月23日 0時) (レス) id: 4dacac16ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どこかのムスメ | 作成日時:2018年8月23日 12時