*初めまして ページ34
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「……緊張してんのか?」
「え?!……そ、そんなわけ、ないじゃない」
「おいおい、震えてんぞ」
「……」
「まぁ、頃合で出て行っから、それまでの辛抱だ」
「……近くに、いてくれるよね」
「っ/ / /」
だから、上目遣いはなしだって!!期待すんだろ、知ってんだからな!俺には興味ないって知ってんだからな!
「ったりめえだろ。」
「じゃあ、よろしく頼んだよ、彼氏役!」
ニカッと笑ったAだったが、あの後、まさかあんな事が起きるなんて思ってもいなかった。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
「初めまして。桂 Aと申します。」
「ご丁寧にありがとうございます。
西山 阿兎と申します。」
「西山さん……珍しい名前ですね」
「よく言われます。両親の名前から取って、阿佐ヶ谷の阿に兎で、阿兎です。」
「っ……そう、なんですか……」
「はい。
Aさん、写真とはまた違いますね。とても美人だ」
「ありがとうございます……」
「家族関係は、どんななんですか?」
「両親は亡くなりました。今は、兄と2人で頑張ってます。」
「お兄さんは……もしかして、攘夷志士の方ですか?」
「……ご存知なんですか?兄のことを」
「ええ。この前、僕が務めている銀行が、爆発してね。今も、修理中なんですが……
いやぁ、あの時は困りましたよ。なかなかの修理金でしたし」
そう不敵な笑みを浮かべて言うのは、見合い相手の男。
ヅラの事を悪く言っているのが、俺にも伝わり、そっと襖を開けてAを見ると、微かに肩が震えていた。
「兄のことを……悪く言わないでください。」
「え?なんです?」
「わ、私にとって、たった1人の家族なんです、兄なんです。
だから……だから……」
そっと襖を閉めた俺は、Aの気持ちに頷きながら、目の前にいるヅラを見た。
……って
「なんでてめぇがここにいんだよ!!」
小声で言って胸ぐらを掴むと、ヅラは深刻そうな顔で
「新八くんから聞いたんだ。銀時、なぜ言わなかったのだ!!」
「しょうがねぇだろ。Aが言うなって言ってきたんだからよ」
「Aがそんな事言うわけないだろう!!」
「言ったんだよ。
わかるだろ。お前に余計な心配かけさせたくなかったんだよ。」
「……それで、どんな相手なんだ」
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rikohuku0428(プロフ) - 続きのパスワードが知りたいです!面白いのでぜひお願いします! (2020年11月23日 0時) (レス) id: 4dacac16ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どこかのムスメ | 作成日時:2018年8月23日 12時