*幸せ ページ32
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「でも、銀さんから聞いたけど、片想いしてる人がいるって本当?」
「え"っ……銀時、そんな事言ってた?」
「えぇ。昨日ね、頼みに来る時にポロッと。」
「あの腐れ天パ……」
「まぁまぁ…
で?片想い相手って、誰のことなの?」
「それは……」
言おうかと言わないか迷っていると、髪の毛を結ってくれている月詠ちゃんが言ってきた。
「わっちらも知っている奴らか」
「うーん……多分?」
「多分?
じゃあ、銀さんとかではないのかい」
「銀時?!いやいや、違うって……
あいつは、腐れ縁?っていうか、幼馴染。ないない。
それに、銀時に片想いしてるのは、私じゃなくて月詠ちゃんだから」
鏡越しに、月詠ちゃんの事を見ると分かりやすく顔を真っ赤にさせて、もごもご言い始めた。
「ふふっ。可愛い、月詠ちゃん」
「わ、わっちをからかうな……」
「じゃあ誰かしら……」
「……他の人には内緒にしてもらえる?」
誰かしらとか言いながらも、早く言えと催促するような笑顔を向けてくる日輪さんに、私はため息をつくと、声を潜めた。
「私が片想いしてる人はね、阿伏兎さんなの。春雨第七師団の」
「まぁ……ほんとう?Aちゃん」
「あの男か?!」
「そう。
前にね、たまたま家の前で倒れていた阿伏兎さんを看病したの。
その後から、地球に来る時は合っていたんだけど、だんだん惹かれちゃってね……
でも、私は地球人だし、なんてったって、身体が弱い私は、付き合えたとしても一緒に着いていくことも出来ない。この地球でしか生きる事が出来ないから……
だから、片想い。叶うはずのない濃いだもの……」
自分で言いながら、胸が苦しくなってきた私は、思わず涙をこぼすと、明らかにこの状況に困っているような空気に。
すぐに涙を拭って、誤魔化そうと口を開くも横から抱き着かれた。
「ひのわ、さん……?」
「そんな辛い片想い……私たちまで悲しくなってくるよ……
そうだろう?月詠」
「そうじゃ、悲しすぎる。」
「……」
「わっちはな、A。
てっきり銀時が好きだと思っていた」
「え……」
「でも、違うと分かって安心した。
……けど、Aには幸せになってもらいたい。だから、もし。銀時に惹かれるような事があれば、遠慮なく好きになってくれ」
「月詠ちゃん……」
「Aの幸せは、わっちの幸せじゃ。」
*べっぴんさん 【銀時side】→←*吉原 【あなたside】
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rikohuku0428(プロフ) - 続きのパスワードが知りたいです!面白いのでぜひお願いします! (2020年11月23日 0時) (レス) id: 4dacac16ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どこかのムスメ | 作成日時:2018年8月23日 12時