2.星にネガイを【荒船哲次】

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最近、荒船先輩の様子がおかしい。



訓練でミスを連発するわ、
連携も上手くいかないわ、
映画を流しっぱなしでぼーっとしてるわ、
話を聞いてないわで、正直、ダルい。



しかも、東さんにまで迷惑をかけてしまったらしい





今だって、加賀美先輩の作った人形と机を挟んで向かい合わせに座っている





「にらめっこでもしてんスかねー……」




「……喧嘩だろうな、きっと」






独り言を呟いた筈なのに、それとはまた別の応えが帰ってきた



この倒置法は…と、振り返ると、穂刈先輩がポテチを食っていた。もらい。





「とうちほ………穂刈先輩は何か知ってるんスか?」





「………いや、詳しくはまだ」






倒置法、と言いかけた。危ない危ない。





「まあ、A絡みだろうけどな、多分」




Aさん?そういえば、最近会わないな。玉狛に行ったからか………




ヴヴ、と机と何かが擦れる音がした


スマホか。





「荒船先輩、鳴ってますよ」




「………あ、ああ、悪りぃ。
当真からなんて珍し………」





画面を開いてすぐ、荒船先輩は立ち上がり止まった


そして上着を持ち、トリオン体のまま外へと全力で駆けてゆく






「…なんだ、あれ」






あんな風に、荒船先輩の表情を変えれるなんて





Aさん以外あり得ないと思ってた






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