星にネガイを【18歳組】

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あの日

知らせを聞いた後、俺達に気を遣ってか
任務がなくなった。

他の隊員に任されたと聞いた。



正直、アイツが消えたなんて信じられなかったし、
実感なんて湧かなかった。

だから、明日にでもなればころっと現れるのだろうとばかり思っていた。
いつものように、へらへらと笑いながら

俺たちを呼ぶんだと。




でも、そんなことなくて。
いつもなら帰ろうか、と任務の予定を合わせて帰っていたのに、その声は聞こえなくて

スマホを開くも、新着メッセージは届いていない。

電話でもしようかと指が動く。
中村の名がでて、タップしようとした瞬間



そうか、アイツはここにはいないのか、と

自分でも驚くほどにあっさりと
その事実を受け入れてしまった。



いつもならソイツとどうでもいい話を繰り広げる道

テストはどうだった、今日はランク戦をした、負けた、勝った、引き分けた


隣にはいつも、アイツがいた。
楽しそうに笑う、アイツが
悔しそうに顔をしかめるアイツが




その日は隣にいなかった。








「願わくば、もう一度」








お前の笑顔を見せてくれ









1人になった夜の警戒区域で、

俺は空を見上げた。





警戒区域なだけはあって、星が点々と輝いている。





綺麗だった。









あの日、アイツらと見た空も、こんなだった。





真っ白な息を吐く。

それは星空に吸い込まれていくように消えた。







_____________なぁ





返してくれよ。








俺たちから、アイツを









奪わないでくれ___________









届かないネガイと知りながら






俺は願う事しかできない。









無力な自分に涙を流した。

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