星にネガイを【18歳組】

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「あー、寒ぃ」



「おっさんくさいぞ」



「いや、お前は寒くねぇの?」



「ポカリだからねー」



「意味わかんねー」




他愛もない話を繰り広げ、

電車に乗ること数十分。


いつの間にか、塩の香りが車内に漂う。


何年も前に訪れたその街は
何かが特別変わった、というわけじゃなかったがどこか別の空気を漂わせ

塩の香りと混じり合っていた。





「窓開けてるからじゃないか?」




鋼はそう言い、窓に手を掛けるが私はそれを止めた




「鋼、このままがいい」




なんで、寒ぃだろ、と野次が飛ぶが、私は気にせず外を眺める
鋼も、そうか、と微笑んでくれた




「…綺麗な海だな」



「うん、すごく」




風になびく髪を、さっきから荒船が触ってる



「長えな」



「2年も経てばね」



「そうか」




私たち以外 誰もいないこの車両

海の波の音

ガタゴトと揺れる音

響き渡るたくさんの音に

私は耳を傾け続けた

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