◎僻_kn ページ5
(推し嫉妬シリーズ)
彼氏には、出来ればバレたくなかった。私が、アイドルにハマっているということを。別にやましい感情がある訳でもないし、ガチ恋勢でも無いのでバレてダメな事はないけれど。なんとなく、後ろめたくて。
しかし、私の感情とは裏腹に現実というのは厳しいもので。そう簡単には上手くいかないようだ。
「Aさん?これは何かな??」
『…顔怖すぎ、』
「なんて???」
『本当にごめんなさい。』
私が一人でライブDVDを見ていると、しっかりときんときにバレた。家に帰ってきた事にまるで気付かなかった私が悪いのだけど。慌ててテレビを消すも、時すでに遅し。ちゃんとバレました。
「…別に何かにハマるのは悪いとは言わないよ。だけど俺の事を放って何かする、しかも他の男に熱中するとなると話は変わるからね?」
『ほんとすみません…でも別にガチ恋勢ではないので!!』
「それだったら俺が困るよ。」
ちょっとこっち来て、と言われてきんときの隣に座る。暫くぼうっと彼の目を見つめていると、急に抱きしめられた。途端に早くなる鼓動。
『っえ、きんとき?なん、え?』
「あはは、心臓早いね。バクバク言ってる。」
『仕方なく無い!? だって、だってきんとに抱きしめられっ、?』
私が話していると腕から開放される。かと思えば、顔が近付いてきてちゅ、ちゅ、とキスが落とされた。急な行動に驚きが隠せない。
『んっ、きん、…まっ、きんとき!』
「…っ、何?いい所だったんだけど。」
ぐいっと腕を押せば、不満そうに口をへの字に曲げているきんときが見えた。こんな強引な彼は久々に見た気がする。なんとか息を落ち着けて彼を一睨みする。するときんときは笑って私の手を握った。
「あのねぇ、俺が嫉妬とかしないとでも思った?」
『…思っては、ないけど。』
「アイドルだって俺にとっては嫌なの。彼女の気持ちが一瞬でも他の奴に奪われるとか…想像しただけで無理。だからこれからは程々にすること。分かった?」
『……分かった。』
「何その間。もう一回キスされたい?」
『分かった!分かりました!!!』
どうやら彼は、私が思っている十倍ほど独占欲が強いのを知った今日この頃。
______________________
気付けばもう評価が150票以上でちょっと驚きが隠せないっすね…もうお星様赤色…本当にありがとうございます🤣
901人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:モチモチな餅。 | 作成日時:2021年11月24日 22時