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diary.34 ページ36

神子side


『神子さまぁ……またしばしのお別れです……』


子犬のような目で妾を見つめてくるA


どうやら、教令院を長くは休めないようで…


昨日の今日で、こやつはまた帰ることとなったのだ


『本当はもう少し滞在したかったです!!』


放浪者の道筋を辿るとかで予定よりも早く出ることにしたらしい


神子「また帰ってくればよい、妾は大体この大社にしかおらんからの」


別れのたびに今生の別れと言わんばかりだ


『……〜っ!またすぐ帰ってきますっ!それでは…!』


そんな頻繁に帰ってきて大丈夫なものなのだろうか…


少しずつ離れていくAは見えなくなるまで妾に手を振っていた


そんな彼女に答えるように妾も腕を組みながらも紙垂を待ちつつ小さく手を振る


神子「ふぅ……嵐のようじゃった」


Aが完全に見えなくなると一息つく


そして、妾はあの童が社に訪れた時のことを思い出していたーーー


ーーーーー


ーーー





放浪者「Aはここに住んでいたのか?」


そう、唐突に聞こえてきた聞き知った名前


それは知らない童の口から発せられたようだった


どうやらその童はここの巫女達にAのことを聞いて回っているらしい


それならば妾に聞くのが一番じゃと言うのに


まるで笑わない目を盗むかのように聞き探っておる


これは丁重に相手にしてやらぬといけない、そう思って口角を上げる


神子「なにやら珍しい目的を待っておるお客が来たみたいじゃのう?」


放浪者「八重神子……」


この童、妾のことを知っておるのか


目の前にいる童を注力して見ていると


その瞳にどことなく、見知った顔を思い出した


…目元が影にそっくりじゃ


他人の空似、というやつか


神子「お主、野良犬のようにこそこそとAのことを嗅ぎ回っているようじゃが…一体ここに何用だ?」


あくまで、友好的な笑顔でにっこりと微笑みかけてやると


あちらは対照的に固い表情でこちらを警戒していた


あからさまに、隠す気もないようだ


放浪者「ふん……特にお前と話すことはないよ、それじゃあ、邪魔したね」


妾が出てくると妙にあっさりと引いたと思ったらそのまま風のようにふわりと飛び去る


そのまま童の背中が小さくなっていくのを見つめていた


稲妻で何かやらかしたのなら妾の耳に届くじゃろうし


しばらくは様子見…ということにしておこう

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ついんてーる(プロフ) - すごく面白いです!主さんの物語の構成など前作から感動してます!これからも頑張ってください! (2月29日 21時) (レス) @page15 id: 7609cb840c (このIDを非表示/違反報告)
夜月 サキ - 投稿待ってます! (2月3日 19時) (レス) id: 911abfc5cd (このIDを非表示/違反報告)
おりんぽす(プロフ) - ふわなさん» ご感想ありがとうございます!とても励みになります〜˚✧₊⁎今後の展開にご期待ください☺️ (1月7日 20時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - お話とっても面白いです!ちょっとドジ(?)な夢主ちゃんをなんだかんだ気にかけちゃう放浪者かわいいです…!!更新頑張ってください!楽しみにしてます!! (12月30日 1時) (レス) @page27 id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
おりんぽす(プロフ) - 夜月 サキさん» 初コメありがとうございます!更新の励みになりますううう! (12月26日 18時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おりんぽす | 作成日時:2023年11月27日 22時

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