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diary.22 ページ24

Aside


本を拾って教令院の外にあるベンチまで運ぶ


『ふぅ…助かった。運んでくれてありがとう……って!待って?!』


放浪者「……何?」


この人は何でいつもいいタイミングで助けてくれるのに風の速さで逃げようとするんだろう?


今もこうして教科書を運んでくれて


ベンチに置いた瞬間私が振り向いた時には踵を返して教令院の中に戻ろうとしていた


『何……って、貴方って本当に照れ屋さんなんだね』


放浪者「ちょっと意味が分からないんだけど」


自分から近寄ってくるくせに


私から近寄ると離れていく


まるで気まぐれな猫みたい…


そんな猫ちゃんに横柄な態度をとっても機嫌が悪くなってしまうだけだ


まずは警戒心を解いて懐いてもらわないと!


『ううん、気にしないで!あっ、そうだ……これ』


私は昨日借りた手ぬぐいを差し出した


放浪者「別に返さなくてもいい」


いやいやそういうわけにもいかないだろう


『ちゃんと洗ったから安心して!はい、ありがとっ!』


私が無理矢理放浪者の手を掴んで手ぬぐいをギュッと握らせる


放浪者「気安く触るなっ」


観念したのか奪い取るように、手を振り払うように手ぬぐいを掴む


ほんとに猫ちゃんにしか見えなくなってきた


今は必死に毛を逆立てて怒って見せているけど…


『触るなって…昨日はおぶってくれたくせにね?』


ついにやっと頬が緩んでしまう


放浪者「君、締め○されたいの?」


心なしか今ピーー音が入ったような


嫌がるそぶりを見せつつもちゃんと会話してくれるところも


私が放浪者を根っからの冷徹だと思ってない根拠だ


『それは遠慮しておく!そうだ、放浪者は何しに教令院に来たの?』


私の質問に一瞬でもだけど目を大きくパチリと開いた放浪者


この人は私と同じ因論派の所属のはず


何か教えてくれるかもしれない!


と思ったのも束の間


放浪者「ただの調べ物だ、じゃあね」


『ああ〜!また逃げたぁ…!』


風が彼の周りをふわりと包み込んだかと思った瞬間


文字通り風の速さで彼はその場から離れてしまったのだった


仲良くなるにはもう少し時間が必要そうだな

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ついんてーる(プロフ) - すごく面白いです!主さんの物語の構成など前作から感動してます!これからも頑張ってください! (2月29日 21時) (レス) @page15 id: 7609cb840c (このIDを非表示/違反報告)
夜月 サキ - 投稿待ってます! (2月3日 19時) (レス) id: 911abfc5cd (このIDを非表示/違反報告)
おりんぽす(プロフ) - ふわなさん» ご感想ありがとうございます!とても励みになります〜˚✧₊⁎今後の展開にご期待ください☺️ (1月7日 20時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - お話とっても面白いです!ちょっとドジ(?)な夢主ちゃんをなんだかんだ気にかけちゃう放浪者かわいいです…!!更新頑張ってください!楽しみにしてます!! (12月30日 1時) (レス) @page27 id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
おりんぽす(プロフ) - 夜月 サキさん» 初コメありがとうございます!更新の励みになりますううう! (12月26日 18時) (レス) id: f4e7ffa9c5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おりんぽす | 作成日時:2023年11月27日 22時

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