落花流水の情【放浪者】

diary.12 ページ14

Aside


空オススメの宿に案内してもらった後


私は部屋に荷物を置き再び外に出てきた


『お待たせしましたっ』


外では空とパイモンが私を待ってくれていた


パイモン「おうっ！それじゃ美味しいものでも…」


空「こらパイモン、先にスメールの案内でしょ」


『2人はとっても仲がいいね』


そんなことないよと空が笑うとパイモンがショックを受けた顔で空を見ていた


空「せっかくだから教令院から行く？」


はっ、そうだった


すっかり観光気分に陥っていたけど私は学生をしに来たんだった


スメールの緩やかな雰囲気に浮かされていたようだ


『うん、行ってみたい！』


早速空の後について、これから通うことになる教令院へ向かうことになった


ーーーーー


ーーー


ー


スメールシティの大木に連なる長い坂を登り


教令院の扉を開く


『うわぁぁ………』


目の前に広がる景色に思わず感嘆の声が漏れた


そこには制服を着た学生たちが本を読んでいたり


椅子に座って何かを書いていたり、議論したり…


どれも私の知的好奇心をくすぐってくる


私も、明日から…


パイモン「教令院には色んな学院があるだろ？Aはどの学院になるのか決まってるのか？」


『もちろん！私はヴァフマナ学院の所属だよ

因論派とも呼ばれてるの』


ヴァフマナ学院は歴史学や社会学を学ぶ学生が多く集う


帽子にもついている学院のシンボルはは黄色い馬


空「Aは何を学びに？」


『稲妻の歴史を学びに！稲妻で勉強すれば？って思うかもしれないけど…

やっぱりテイワット一の知識の宝庫は教令院だから一度学んでみたくて』


そう、私の頭の中に残る物語


それをもっと知りたい、見つけてみたい


だってこれは単なる妄想なんかじゃない


必ず存在するものだと確信があったから


空「頑張ってね、俺もテイワットの歴史には疎いけど応援する

困ったことがあったらいつでも頼ってね」


空って本当に優しいんだなぁ…


慣れないスメールに来たばかりの心に空の優しさがじーんと染み渡る


パイモン「ん…？因論派って…そういえばこの前放浪者が在籍してなかったか……」


空「………ああ！そういえば！！」


『？？？』


放浪者って誰だろう、二人の友達かな


盛り上がる二人をよそに私は頭にハテナをたくさん浮かべていた

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