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40 それでも ページ46

A視点

話し終えて、うらたを見ると

ur「…。」

すごい、複雑そうな顔をしてた。
そうだよね、こんな話されちゃ。

『ごめんね、こんな話して。あんま気にしないで。』

それじゃ、と立ち去ろうとしたとき。


ur「待って。」

呼び止められた。

『っ、何?』

振り向いた次の瞬間、私はうらたの腕の中にいた。


『ちょっ。』

ur「一人で、泣くなよ。…俺で良ければ、Aの思ってることとか、聞くから。」

ぎゅっ、と強く抱きしめながら、そう言った。

なんで

『なんで、気づくの…?』

お母さんを思い出して、自分の無力さを、αへの憎しみを思い出して。

すべて、涙となって溢れそうなことを。

ur「なんとなく。……言いたいこと、無いの?」

優しく問いかけられてしまえば、私の涙腺と気持ちの糸が緩むのは、容易だった。

『ずっと、悔しかった。
お母さんが苦しんでるの、気づけなかった。優しくて、強い、大好きなお母さんだったのに。
……αも、許せなかった。でも…っ。あいつみたいな人だけじゃ無いって思ったら、心から憎めなかった。』

心の中に、ずっと溜めてた本当の思い。

ur「誰も見てないから、いっぱい泣いて?Aの思い全部、聞かせて?」

うらたはそう言って、どんな私の言葉も、思いも、優しく受け止めて、抱きしめ続けてくれていた。

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設定タグ:歌い手 , うらたぬき , オメガバース   
作品ジャンル:恋愛
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千海(プロフ) - ぼくさん» ありがとうございます!楽しんでいただけてるのなら、嬉しい限りです。更新頑張ります! (2022年1月31日 21時) (レス) id: b4c51071c3 (このIDを非表示/違反報告)
ぼく(プロフ) - すごく面白い作品やなって思っていつも読ませていただいてます更新頑張ってください応援してます (2022年1月31日 20時) (レス) id: ed160c56c8 (このIDを非表示/違反報告)
志津(プロフ) - ありがとうございます!分かりました。 (2022年1月24日 7時) (レス) id: 5982f92ed4 (このIDを非表示/違反報告)
千海(プロフ) - 志津さん» 編集画面の、お話を書くスペースの上に地球儀とかのいろんなマークがあるところの、左から4番目のマーク(スパナみたいなの)を押して、トークという項目のところに入力すると使えます!分かりづらかったら、お手数おかけしますがボードとかにまた書き込みお願いします! (2022年1月23日 20時) (レス) id: b4c51071c3 (このIDを非表示/違反報告)
志津(プロフ) - LINE風のテキストってどうやって使うのですか? (2022年1月23日 19時) (レス) @page42 id: 5982f92ed4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千月 | 作成日時:2021年12月5日 22時

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