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35 見てきたもの、目の前の人 ページ41

A視点

闇から逃れるように目覚めると、そこは私の部屋だった。

『あれから、どうしたんだろ。』

助けてくれたのはうらただったけど、彼がここまでできるとは考えにくい。
一応、ヒート中の番(仮)を抱えてた訳だし。

じゃあ誰が…、とだるさの残る頭で考えていると部屋の扉が開いた。


yk「あ、起きたんだね。良かった。」

扉の先に立っていたのは、雪だった。

『あ、え、雪?なんで?』

yk「くろちゃんから連絡もらってね。看病…っていうか、面倒見に来た。」

持ってきたタオルを渡しながら、雪は椅子に腰掛けた。

『そう、だったんだ。』

タオルを握りながら、下を向く。
少しだけ、気持ち的にも落ち着いてきた。


yk「くろちゃんから聞いた。…怖かったね。」

そう言って頭を撫でてくれる雪。

『…お母さんみたいになるのかなって、諦めかけてた。』

yk「Aが気を失ってからのこと、話してもいい?」

『うん。』

私がそう答えると、雪はゆっくり話し始めた。

yk「くろちゃんが来るまで、Aを見ててくれたのは、うらたくんだったらしくて。

本能を抑えて、ずっと待っててくれたんだって。」

『…。』

その言葉に、何も返せなかった。

私が見てきたαとは、全然違うから。

そのまま雪は続けた。

yk「前にも言ったけど、αっていっても、世の中にはたくさんのαがいる。
私だって、Ωだから、虐げられたりしてきた。

でもね、
Aのお母さんの番みたいな人達だけじゃないんだよ。」


私は、Aの選択を尊重するけど、それだけは覚えててほしいな。


雪はそう言い残して、帰っていった。

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設定タグ:歌い手 , うらたぬき , オメガバース   
作品ジャンル:恋愛
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千海(プロフ) - ぼくさん» ありがとうございます!楽しんでいただけてるのなら、嬉しい限りです。更新頑張ります! (2022年1月31日 21時) (レス) id: b4c51071c3 (このIDを非表示/違反報告)
ぼく(プロフ) - すごく面白い作品やなって思っていつも読ませていただいてます更新頑張ってください応援してます (2022年1月31日 20時) (レス) id: ed160c56c8 (このIDを非表示/違反報告)
志津(プロフ) - ありがとうございます!分かりました。 (2022年1月24日 7時) (レス) id: 5982f92ed4 (このIDを非表示/違反報告)
千海(プロフ) - 志津さん» 編集画面の、お話を書くスペースの上に地球儀とかのいろんなマークがあるところの、左から4番目のマーク(スパナみたいなの)を押して、トークという項目のところに入力すると使えます!分かりづらかったら、お手数おかけしますがボードとかにまた書き込みお願いします! (2022年1月23日 20時) (レス) id: b4c51071c3 (このIDを非表示/違反報告)
志津(プロフ) - LINE風のテキストってどうやって使うのですか? (2022年1月23日 19時) (レス) @page42 id: 5982f92ed4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千月 | 作成日時:2021年12月5日 22時

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