《読み切り/AS》シャッター迷えど刻めよ時間 (ページ22)

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キャラメルラテから湯気が立ち上る。

冷めちゃうから飲んでよ、って彼にそう言ってるのに飲まずに真剣な顔で話を聞くショウちゃん。

だからなんかどんどん後に引けなくなって全部一気に話してしまった。

「........」

俯いて黙ってしまったショウちゃん。

気まずくてキャラメルを一粒口に放り投げる。

少し溶けたキャラメルは柔らかくなっていて歯にくっついた。

なんとなく今の俺みたいで、それが嫌で歯と舌で潰してすぐに呑み込んだ。

「あの....さ。なんか....ごめん.....」

やっぱり耐えられなくてとりあえず謝る。

もしかしたらなんか聞きたくないことを言っちゃったかもしれない。

もしかしたらこんな俺に失望してるかもしれない。

もしかしたら.....

一人で負のスパイラルに陥りかけていた俺を彼が少し潤んだ瞳で見つめた。

「マサキくん、ごめんね」

「え…？」

「なんか、話したくないこと無理やり言わせたみたいになっちゃって…」

「あ、え、そんなっ…そんなことないって！俺が勝手に話し始めただけだし…」

彼は少し目を伏せると、何かを決意したように顔を上げて俺の目をまっすぐに覗き込んだ。

「今から言うことはさ、もし嫌だったら無視してくれていいの。でもね、聞くだけ聞いて...?」

いつもキラキラとしているその目は少しだけ影を落としているように見えた。

上目遣いで優しく俺を見るショウちゃん。

うん、って言ったらにっこり笑って続きを話し始めた。

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