愛玩動物 Ⅱ【wrwrd】 (ページ28)

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四十五話ページ28

お礼を言ってからアレンを追いかけて並走して移動していると後ろから斧を持った人が走ってきた。

すごい足が早い。でも追いつかれなさそう。

ar「え、来てるの！？」

アレンがちらっと後ろを見てそう言うと右にある木に飛び映ってどこかに行ってしまった。

斧を持ってる人は俺を追ってきている。
まぁあの人は獣人じゃないし暫くは良いかな。

誰かと会わないかな…

結構な時間逃げてるけど一向に引き離せない。
距離も詰められないけどね。

こっちの体力の方が少ないしこりゃダメだ。

「うぉおおおぉおお！！！全員捕まえてゾム隊長に褒めてもらうんだぁああぁ！！！全員でてこぉーいい！！！」

後ろからそんな叫び声が聞こえる。

あと叫べるほど体力余ってるの！？

そう思っていると後ろから爆発音が聞こえてそのあとあの俺を追いかけている人の叫び声が聞こえた。

何かと思って後ろを向くと煙が舞っていた。
これが煙幕ってやつか…

そうして後ろをチラチラ見ながら走っていたら木にぶつかってその拍子によろめくと足をすべせて斜面を転がり落ちてしまった。

「…えっ、狐くん！？大丈夫！？」

痛む腰を抑えながら立ち上がるとちょっと遠くから声が聞こえた。

ﾋﾟｰｯﾋﾟｰｯ

またこの電子音…どこから聞こえるのか分からない電子音がたまに不規則に聞こえるのだ。

この国に来た時くらいから聞こえる。

「ねぇ、ねぇってば！ほんとに大丈夫？」
そう言われ肩を叩かれて電子音からその人に意識がむく。

『うん。大丈夫』

「痛いところは？」

『腰痛い』

そう言うと焦った顔になる人。
歩ける？と聞かれたから頷いておいた。

まぁ今立ててるし歩けるよ。

「あ、じゃ、じゃあ下山して戻ろうか。」

「え、何してんの？」

そう俺に声をかけてくれた人(以降金髪さん)が言うと木の間から斧を持ってる人(以降茶髪さん)が出てきた。

急に声をかけられて驚いたのか金髪さんは茶髪さんから少し距離をとっていた。

「あ、この子がね、この坂から落ちちゃったみたいで腰痛いって言ってるから医務室に連れていこうかと」

「あ、そうなん？じゃあ俺が連れてくよ。お前は逃げなよこの場で捕まえるよ？」

茶髪さんが連れてってくれるようでそれを聞いた金髪さんはすごい速さでどこかへ走っていった。

凄い馬みたい。

「よし行こうか。ゾム隊長には多分彼奴が言ってくれるよ多分」

にこやかに言うとさっき俺を追いかけてた人とは思えない凄いゆっくりな速度で歩き出した。