その96:どんだけデカい組織だよ ページ4
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「実のところ……今回の大会には、色々な悪い大人の事情が絡んでいるのです」
それぞれがきちんと椅子に腰を下ろすと、趙は満を持してこの不可解な大会の全貌を紐解き始めた。
「知っての通り、サッカーは世界有数のビッグエンターテインメント・ビジネスなのです。その大きさは、世界経済を左右するほど。そこに目をつけ、サッカーをビジネスとして徹底的に管理しようとしている組織があります。それが、"オリオン財団"です」
「それが、一星を送り込んできた組織ですか?」
「その通りです、風丸くん! オリオン財団は、サッカーにおける経済効果が最大限になるように試合結果をコントロールします。それによって、サッカーをより大きなビジネスへと変えているのです!」
予想以上の話のスケールの大きさに、ほたるは思わず「(やっぱりとんでもないことに巻き込まれてるんじゃん、私)」と苦笑を浮かべる。
オリオン財団なんて名前、少なくともほたるはこれまでに聞いたこともなかったはずだけれど、まさかそんな組織が存在していたとは。世の中、まだまだ知らないことだらけである。
「サッカーは勝負の世界。普通に試合を行なっていれば、そんなことはできるわけがありません。そこで動くのが、オリオン財団のスパイ選手──"オリオンの使徒"たちです。彼らは時にチームの味方をし、時に味方のマイナスになる行動を取ります。試合結果を、オリオン財団が決めたプラン通りに進めていくのです」
「つまり、今までに不信なプレーをしてきた連中が、その"オリオンの使徒"っていう訳ですね」
「ええ、そういうことです」
趙とタツヤの言葉に、すぐさま剛陣は「じゃあ、そんなもん警察に何とかしてもらおうぜ!」と提案する。
けれど、そのようなことでこの事態が解決するのならば、FFIはとっくに正常な大会に戻っていると言えよう。趙は静かに首を振って、彼の言葉をピシャリと否定した。
「残念ながら、オリオン財団は巨大な組織──警察すら抱き込んでいる可能性があります」
「黙って見ているしかないってことですか?」
「──いいえ、大谷さん。そこで、私に一つ考えがあります。我々はサッカーで、彼らと戦うのです! 彼らがサッカーを支配できなくなれば、強引な行動に出てくるでしょう。そうすれば、彼らがやっている悪事の動かぬ証拠を掴むことができます!」
つまるところ趙が言いたいのは、イナズマジャパンがFFIで勝ち進んでいけば、オリオン財団の綻びを炙り出せるということだろう。
この大会を正すには、真っ向からサッカーで勝負を挑むしかないのである。
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coopee - 初めてコメントさせていただきます!久々にイナイレの占ツクをあさっていたら、まさかこんなにも素敵な作品に出会えるとは思ってもいませんでした。主さんのペースで、完結まで頑張ってください! (2021年2月18日 17時) (レス) id: 2eec394d2f (このIDを非表示/違反報告)
鮭の神様(元 レオ)(プロフ) - わぁぁぁぁ!!!続きが更新されてる…!!!楽しみにしてました!!!更新ありがとうございます!!!変な時間に申し訳ございません。これからも無理せず頑張ってください! (2021年1月25日 2時) (レス) id: 86c31a4b24 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - 奏さん» 大変長らくお待たせしました…!!変なところで切ってしまってごめんなさい;超マイペースではありますが、これからも完結目指してなんとか頑張っていこうと思います…!コメントありがとうございました! (2021年1月24日 22時) (レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - 華兎くんさん» ご心配をおかけしました…!長い間お待たせしてしまい申し訳ないです。これからも楽しんでいただけるよう頑張ります、コメントありがとうございました! (2021年1月24日 22時) (レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - ゆめのわたしさん» コメントありがとうございます。大変長らくお待たせいたしました…!完結までお届けできるよう、これからも頑張っていきます…!! (2021年1月24日 22時) (レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こめこ | 作成日時:2020年5月1日 21時