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11 f side ページ11

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「で?」
「で、って何」
「お前らのことよ。わかんだろ」
「こらあろま。よそ様に首を突っ込まない」



ビクつく俺とAちゃんを見てか、えおえおがあろまを制止してくれた。確かに、と頷いて黙るところに聞き分けの良さを感じる。

俺を思ってここまで行動してくれているんだとわかってるんだけど、如何せんオラついてるせいで怖い。


丸まった背中を伸ばしてみると、少し落ち着いた。
目の前に座るAちゃんと目が合って、彼女も同じように深呼吸をして背筋を伸ばす。

手元に視線を落とした後、しっかりとまた目が合う。



『ふぶちゃん、ごめんなさい』



目を逸らさないAちゃん。

この子、泣くのを我慢する時こうやって人の目をじっと見つめるんだよ。



『私のせいでたくさん傷ついたよね、ほんとにごめんなさい』



口角が下がって、ほら、もう泣きそう。



『ふぶちゃ、』
「…あれ」



頬に伝う感覚を手で拭った。

Aちゃんより先に泣き出したのは俺だった。


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作者名:二子 | 作成日時:2019年6月3日 13時

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