【歌い手】ハード・モード (ページ22)

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大変です。

今この瞬間が、人生で一番、

大変な気がします。

「アンタ、ねーちゃんじゃないだろ」

折原「ﾅﾅﾅﾅﾅﾆｲｯﾃﾙﾉ?!」

私の背中には壁があって、腕は頭の上で掴まれている状態。

これは世に言う……

壁ドン。

「ねーちゃんは寝起きが悪いから、朝は挨拶しない。ってゆーか、いつもしない。」

折原「……。」

「いつもそんなヘラヘラしてないし」

折原「ヘッ……ヘラヘラ…」

「アンタ本当誰？」

鋭い眼光が私を射ぬき、全身に力が入らなくなりました。

「わっ…私は……」

出かけた言葉を必死に止めます。

けど、どうすれば良いのか解らず、ただうつ向いたまま。

すると、頭上から乾いた笑い声が聴こえてきました。

「冗談だよ」

「へ……」

今、なんて…

「冗談だって…今の忘れて」

そう言って部屋に戻って行ってしまいました。

けれど、一瞬そんな弟さんの横顔が寂しそうに見えたのは、気のせいだと思います。

いえ、気のせいだと思いたいです。

足の力が抜け、私は一人、その場に崩れ落ちました。

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メリークリスマス！

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