TAKE１９ たのしい昼ドラごっこ 下 ページ24
「数珠丸殿、こんなところに埃が……残ってっ……あっはっは！」
「はいやり直し！何で笑ってるんだお前は！」
最初までは氷のように鋭い瞳で数珠丸恒次(妻役)に話しかけようとしていたはずの三日月宗近(姑役)が、ついに腹を抱えて笑い出した。
現場監督のようになってしまった審神者(旦那役)は、数珠丸恒次を見た。
「頼む、何とか言ってやってくれ」
だがしかし、当の数珠丸恒次も笑っている。
ジャージの襟で隠れた口元を手で押さえ、顔を背けて肩を震わせていた。
「あー、もう、大体お前たちが最初に……」
「……僕がいない間に、何が」
爆笑する天下五剣と呆れる審神者の耳に、聞き覚えのある声が届いた。
途端にぴたりと動きを止めた三人は、一斉にそちらを向いた。
「……随分と、遅かったのですね」
「いや、こんな空気の中部屋に入れる訳ないだろう？」
いつものにっかり笑顔を消して、にっかり青江は言い放った。
天下五剣としての何かが崩れていったように感じ、三日月宗近たちはやっと我に返った。
そこにはただ、未だ点けっ放しのテレビから流れる、午後二時を告げる時報のみがあった。
「にっかり、これは、これは違うんです」
必死で弁解する数珠丸恒次を見て、にっかり青江は首を振った。
「どうしてっ……、どうしてこんな面白そうなことに混ぜてくれなかったんだい？！」
その目はキラキラと輝いていて、密かにこの遊びが終わることを期待していた審神者は、ついに顔を覆った。
「お前もかよ……」
「この遊びも、存外悪いモノじゃないかもしれないよ。……ねっ？」
そう言うなり審神者にしな垂れかかったにっかり青江を見て、数珠丸恒次と三日月宗近はハッと息を呑んだ。そう、彼の役割はもう決まったのだ。
数珠丸恒次は、一度にっかり青江と目配せし、”役”になりきり、あの決め台詞を言った。
「この、泥棒猫……！」
「そっち？！」
ついに愛人役を獲得したにっかり青江は、妖しく微笑んだ。
またもや笑い出した三日月宗近と、言ってやりましたと言いたげにドヤ顔を披露する数珠丸恒次。
このカオスはもう誰にも止められないのだと、審神者はやっと覚ったのだった。
「夕餉の時間だけど……、何があったんだい？」
夕餉が出来たことを知らせに来た燭台切光忠は、思わず遠い目になった。
自分たちを客観的に見ればおかしいということに気が付いた四人は、頭を抱えて床に膝をついた。
それから、審神者と天下五剣とにっかり青江は二度とワイドショーを見なかったという。
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いなほん(プロフ) - 最゛高゛で゛す゛……!!!!素敵なにっかりさんをどうもありがとうございました！ (2016年12月4日 17時) (
レス) id: eb5ee429dc (このIDを非表示/違反報告)
新鮮な鉛筆(２B)(プロフ) - 拳銃さん» すみません、御指摘ありがとうございます。次のお話で、書き方を変えてみます…。 (2016年9月16日 21時) (レス) id: 873a9a633f (このIDを非表示/違反報告)
拳銃(プロフ) - もう少し間を開けた方が読みやすくなりますよー。はっきり言ってこれ読みにくいですね。二、三行で良いので間隔取ってくださいね(´-ω-`) (2016年9月15日 23時) (レス) id: d214872701 (このIDを非表示/違反報告)
ルサルカ(プロフ) - 新鮮な鉛筆(２B)さん» ありがとうございました！電車の中なのにニヤケちゃいました！www更新のんびり待ってるのでのんびり頑張ってくださーい！応援してますw (2016年9月9日 19時) (レス) id: 2218d295b6 (このIDを非表示/違反報告)
新鮮な鉛筆(２B)(プロフ) - ルサルカさん» 「待つ」ですか、リクエストありがとうございます！また時間が開いたら書かせていただきますね。 (2016年9月4日 8時) (レス) id: 451b47dddc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：新鮮な鉛筆(２B) | 作成日時：2016年8月10日 13時
