TAKE８ 大広間にて ページ13
「そういえば、今日はにっかり青江が主と口喧嘩をしていませんね」
「ぐっ」
宗三左文字が、大広間ににっかり青江がいるのを確認してから言った。
和やかな昼食の時間だというのに遠慮なくぶち込まれた爆弾に、発言主の周りの空気が凍った。
江雪左文字は米を喉に詰まらせ、小夜左文字は焼き魚を食していた手を止めた。
それを聞いた者は、皆一様に同じ反応をしていた。
「……それは、今一番触れちゃいけない話題だよ」
左文字兄弟の向かいで食事していた国広達の中で一番回復の速かった堀川国広が小声で宗三左文字に言った。水を探し求める江雪左文字の右手に、山姥切国広がそっと水の入ったコップを握らせた。
「昨日、手入れ部屋の前で会話していた時は、まだ普通であったぞ」
山伏国広が珍しく動揺を露わにして言った。左文字と国広以外にも、話を聞いていた刀剣達は小刻みに頷いた。
「そうなんですよ……」
ふうっと溜息をもらす宗三左文字は無駄に色っぽい。小夜左文字は、そんな次兄と空になったコップを片手に肩を上下させている長兄を見てから、昼食を食べている審神者の方を見た。
「きっと、その後に何かがあったんだよ」
「……そうなりますね」
色々あって回復が一番遅かった江雪左文字が、いつもどおりの無表情で相槌を打った。
「そういえば、君はにっかりと一言も話していないな」
「ぐっ」
鶯丸の一言で、審神者が勢いよく咽た。
咄嗟に咳き込む審神者の背中をさすっていた平野藤四郎が、審神者の代わりに返事をした。
「それは、あまり触れない方がよいのではないでしょうか」
「つい気になってしまったんだ。すまん」
食後の茶をすする鶯丸は、全く気にしていない様子だ。しかし審神者は恨めし気に鶯丸を見上げた。
「”つい”ってなんだ”つい”って……」
ようやく落ち着いた審神者が項垂れたとき、審神者のはす向かいで食器を流しに持って行こうとしていた鶴丸国永が何かを見つけた。
「ん？それは誰にやられたんだ？」
「どれだ」
「だから、その首。誰かに噛まれたんだろう？」
空気が凍った気がした。
審神者は音速で昨日つけられた噛み痕をおさえたがもう遅い。耳をそばだてて話を聞いていた近くの刀剣達が驚いて振り返り、あっという間に大騒ぎになった。
何があったと口々に訊かれるが、審神者は「えっと」だの「あー」だのと要領を得ない。
「誰にやられたか、言って御覧？」
優しそうに言う歌仙兼定は、心の中に激しい怒りを宿していた。審神者は違う、と首を振った。
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いなほん(プロフ) - 最゛高゛で゛す゛……!!!!素敵なにっかりさんをどうもありがとうございました！ (2016年12月4日 17時) (
レス) id: eb5ee429dc (このIDを非表示/違反報告)
新鮮な鉛筆(２B)(プロフ) - 拳銃さん» すみません、御指摘ありがとうございます。次のお話で、書き方を変えてみます…。 (2016年9月16日 21時) (レス) id: 873a9a633f (このIDを非表示/違反報告)
拳銃(プロフ) - もう少し間を開けた方が読みやすくなりますよー。はっきり言ってこれ読みにくいですね。二、三行で良いので間隔取ってくださいね(´-ω-`) (2016年9月15日 23時) (レス) id: d214872701 (このIDを非表示/違反報告)
ルサルカ(プロフ) - 新鮮な鉛筆(２B)さん» ありがとうございました！電車の中なのにニヤケちゃいました！www更新のんびり待ってるのでのんびり頑張ってくださーい！応援してますw (2016年9月9日 19時) (レス) id: 2218d295b6 (このIDを非表示/違反報告)
新鮮な鉛筆(２B)(プロフ) - ルサルカさん» 「待つ」ですか、リクエストありがとうございます！また時間が開いたら書かせていただきますね。 (2016年9月4日 8時) (レス) id: 451b47dddc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：新鮮な鉛筆(２B) | 作成日時：2016年8月10日 13時
