防弾のMGイルボンサラム 6

273 YG -入院6日目- ページ25

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YG「...」





ひたすら溢れる涙を親指で拭ってやる。


目を伏せたままAはただ静かに泣いていた





打ち解けた時からこいつは泣き虫だと思っていた。





けれどこいつが泣くのは

いつも、俺のせいだった。





俺のせいで泣き虫になってしまったんだよな






YG「...ごめんな」






こんな言葉で彼女の傷が癒せるわけでも

今までのこと許してもらえるわけでもないけど






YG「ごめん、ごめん...

っ、、本当にごめん」






どうしたらいいのかわからない。




彼女に触れていた手先が微かに震えた




情けない






「...シュガさん、？」


YG「っ、」






こんな情けない顔見られたくなくて

慌てて彼女の目を手で塞ぐ



一瞬驚いたように体をビクつかせたAだったけど






「...」






そっと小さな手を重ね、

視界を塞いでいた俺の手を退けた






「見せて下さい、シュガさんの全部。

離れてる間にシュガさんも泣き虫になりましたね？」






泣き腫らした目で笑って見せるA



やっぱりお前には何も隠せないよ






YG「泣いて、ない、」


「相変わらずの強がりですね」


YG「るさい...っ」






馬鹿みたいだ


真っ暗な寒空の下、ふたりして泣いたりして。




俺がしてやったように親指で涙を拭うAの手が冷たくて。


少し顔をしかめれば、楽しそうに笑う






「シュガさんが謝ることなんて何もないじゃないですか。

大好きな人を庇って、何が悪いんですか」






カラーで傷んだ髪の毛をそっと撫でる手つきは柔らかい




大好きな人__

ユソンの事か





YG「どうしてお前はそんなに強いの」





自分をここまで追い込んだ状況をどうして恨まずに居られるのだろう


もはや人間じゃない気がする





「...私も、大好きな人がいるから、ですかね」





恋は盲目ですから〜

なんて笑ってる




Aの大好きな人。



...ここまでテヒョンの事を羨ましいと感じたのは初めてだった





「...いい加減寒いですよね、中戻りましょう？」


YG「ん...」


「シュガさん？」





冷たくて氷のような手を握れば驚いた様子で見上げてきた





YG「...少しぐらいいいだろ」





熱くなった顔を背けると

くすくす笑ってるのが聞こえてくる





「あったかいです」





隣に並ぶ愛おしい存在に

冷えた心がゆっくりと溶けていく気がした



同じようにこいつの心も溶かしていけるといいな、なんて。




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