272 YG -入院6日目- ページ24
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YG「え？居ない？」
「先ほどまでベットにいらしたんですが...」
と、困り顔の婦人看護師。
Aの病室に来てみれば
部屋は空っぽだった
「あの、Aさんなら中庭にいると思いますよ」
後ろから聞こえた声に振り返れば
若い男の看護師。中々のイケメンだ。
彼に礼を伝えて、初めて向かう中庭へ
外に出れば消毒液の匂いから解放された。
すうっと大きく息を吸う
久しぶりにまともな空気を吸ったような気分
見渡せば、端っこのベンチに見慣れた背中を見つけた。
___あいつの背中はあんなにも小さかっただろうか。
少し重い足取りで向かえば足音に気が付いたのか、声をかける前に振り返った彼女
「シュガさん」
優しく微笑む彼女に胸が締め付けられる
名前を呼ばれるだけで心臓が高鳴る
YG「...遅くなってごめん」
時刻はとっくに夕方。
仕事が終わらず無理矢理抜けて来た。
太陽も沈みかけて真っ赤な空に肌寒い外。
もっと早く来るべきだった
「気にしないで下さい。来てくれて、ありがとうございます」
YG「...ん」
素直に言葉が出てこない。
昨日 あんなにも何を話そうか考えてたのに。
YG「こんな時間に外いると風邪引くぞ」
「そうですよね」
YG「...よく来るのか？中庭。」
さっきのイケメン看護師が言ってた。
彼女が最近よく外に出てぼーっとしてると。
「...この中庭、日中は沢山の人で溢れてるんです。こんな寒い時期なのに 笑」
ぽつりと話し始めた彼女の隣に腰を下ろす
冷えた彼女の手先が赤くなっていた
「部屋にずっといると、寂しいんです。
だから昼間はここで入院中の子供達とお話ししたり遊んだりしてるんです」
笑って話してるのに
どうしてそんなに悲しそうなんだよ
「その時間は凄く楽しくて。あっという間なんです。
だから子供達は暗くなる前に、もっと寒くなる前に部屋に戻っちゃうんです
家族が迎えにくるんです」
前を向いていたAが
ゆっくりの俺の方をみた
「やっぱり私は、ひとりぼっちになっちゃうんです」
震える声でそう言った彼女の目から溢れる涙
彼女は孤独が最も苦手だ
YG「...ひとりぼっちなんかじゃない」
「っ、」
YG「だからもう泣くなよ...」
ただ俺は、いつかの日のように
雑にこいつの涙を拭ってやる事しかできないんだ
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すずな - 更新早くしてください。。。オネガシマス・・・ (2019年3月16日 11時) (
レス) id: 79ed1afc42 (このIDを非表示/違反報告)
舞桜(プロフ) - 書き始めからの読者の親戚その1です(笑)当初から夜な夜な涙流しながら読んでゆーさんにコメして。就職したのも承知しております。長く続いたっていーじゃない。最高のお話だもの！ (2018年11月13日 22時) (レス) id: c1ba84da81 (このIDを非表示/違反報告)
19881991koreach(プロフ) - 息子を妊娠する前は私もバリバリ働いてましたので。仕事と物語の更新と両立は難しいかもしれませんが頑張って下さいね。人間マイペースが一番ですよ。焦りは禁物です (2018年11月12日 22時) (レス) id: 0ec91b2d96 (このIDを非表示/違反報告)
19881991koreach(プロフ) - 仕事の忙しさは私も理解できます。私も今月の14日から職場復帰するので。息子が小学3年生になり、3年末になった今になってようやく落ちついてくれるようになったので (2018年11月12日 22時) (レス) id: 0ec91b2d96 (このIDを非表示/違反報告)
さとはる(プロフ) - 前もコメントさせていただいたのですがほんとにほんとに尊敬してますし、同い年と考えるといつもすごいなと思っておりますこの作品に出会えて私の時間の中に楽しみができたんです。ありがとうございます。無理せず更新を待っております (2018年11月12日 2時) (レス) id: 33be35404c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆー
| 作成日時：2017年12月2日 23時
