弐拾 ページ21
｢ぐっ…う,｣
少女から鈍い声漏れる。緑,紫,黄は目の前の男と少女を眺めていた。
｢早く吐かないと痛め付けられるだけだよ〜？｣
目の前で繰り広げられる暴行に緑は小さく溜息を吐いた。
＿＿＿＿＿＿殴られる程度じゃ,誰でも我慢出来るだろう。
痛め付けている男が何処まで指示をされているのかは分からないが,信用に足る人物かどうかはこの程度では判断出来ないという緑の考えは隣に居る紫と黄も同じであった。
｢いﾞｯ…！｣
少女から漏れる声が部屋に響く。暗い部屋の中でもキラリと反射する光に,刀が刺さっている事が分かる。そこまでするのか,と三人は少女に同情をした。
『未だ駄目なのか！？』
『駄目だよ〜カラ松。未だ待機だ』
『くっ…』
『返事は〜？』
『ｯ…yes,sir.boss』
『よく出来ました』
付けているイヤホンから兄達の声が聞こえる。この場の三人だけでなくこの状況は緑が持っている盗聴器で筒抜けだ。この赤＿＿カラ松は人一倍優しい性格でマフィアには不向きな人柄の持ち主だ。少女の苦しむ声に心を痛めている。
｢うﾞ,あぁｯ｣
部屋に少女の叫びが木霊する。鼻につく鉄の匂いに緑は顔を顰めた。
緑が弟達の表情を盗み見ると黄は何時もの掴めない表情で紫は何処か頬が赤みを帯びていた。Mの血が騒ぐのだろうか,はたまたSの血だろうか。
｢おっと,気を失おうったってそうはいかねぇぜ？｣
男の合図で少女に水が掛けられる。それでも少女は口を開かない。
＿＿＿＿＿＿何でここまでされて吐かないんだ。ファミリーの名前を知らないわけじゃない。一言,ピーノファミリーだと言えばそれで終わりじゃないか
｢ｯ…ぅ…絶対,に…言うもんか…｣
『ｯもう無理だ！突入するぞ！』
赤は何をされても口を割らない少女が痛め付けられるのを我慢が出来なかったようだ。
『待て,カラ松ｯ』
｢girl！無事か！？｣
盛大な扉の開いた音と共に現れた赤は少女の元へと駆け寄る。頭に旗が刺さって居る男とパンツ一丁の男も一緒だ。
｢ちょ,ちょっと,カラ松兄さ｣
｢…Mr.フラッグ。内々の事情に御協力感謝する。｣
｢友達だからいいジョー。その子も手当てしてくといいジョー｣
｢ホエホエ,ワスが治療しておくダス｣
｢嗚呼,頼む。博士｣
赤は緑の言葉を遮り少女の拘束を解き抱き上げる。少女を痛め付けていた男はMr.フラッグと呼ばれた男に向き直り片膝を着いている。
どうやら,この出来事は仕組まれたものだった様だ。知らないのは,少女だけ。
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水無瀬(プロフ) - ペコまる。さん» はじめまして。有難う御座います。一応年齢設定としましてはおそ松達は20代前半,夢主は16~17辺りのつもりで書いておりますが,何せ栄養不足の発育が悪い状態ですので少女表記にしております。 (2019年9月8日 21時) (
レス) id: 7d743ed39b (このIDを非表示/違反報告)
ペコまる。 - とっても面白いです！ところで何歳くらいの設定ですか？ (2019年9月8日 18時) (レス) id: efabf24793 (このIDを非表示/違反報告)
水無瀬(プロフ) - 紅夜の黒猫さん» はじめまして。有難う御座います。楽しんで頂けたのでしたら幸いです。とても励みになります,頑張ります。 (2019年8月8日 21時) (レス) id: 7d743ed39b (このIDを非表示/違反報告)
紅夜の黒猫 - 水無瀬さん» はじめまして。作品読ませてもらいました。とても面白いです。設定といい、内容といい、よくできてますね！続き楽しみにしています (2019年8月6日 15時) (レス) id: 49d4392d73 (このIDを非表示/違反報告)
水無瀬(プロフ) - 暇人さん» はじめまして。有難う御座います。とても励みになります。楽しんで頂けたのでしたら嬉しいです。この先も作者の妄想にお付き合い頂けましたら幸いです。 (2019年7月16日 8時) (レス) id: 7d743ed39b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水無瀬 | 作成日時：2019年7月14日 2時
