オキナグサの行方

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M side


T)俺達ってもう、なんにも出来ないのかな…




手元のカップを弄びながら玉がポツリとつぶやく。
どうやらガヤさんとの話はあまり良くなかったようだし、横尾さんがミツと話したことも、千ちゃんとお医者さんと話したこともあまり期待できるものでは無かったらしい。




キタミツの様子がおかしいことはみんな分かっている。
メンバーだけでなく、いつもついてくれているスタッフさんでさえもぎょっとした顔をすることもあった。



M)たま……




玉からいろいろと聞いたときに、あの日きたみつに感じた違和感はこれだったのかと気付いた。
あの日、きたみつは何を言ってほしかったんだろう。何を言ってあげるべきだったんだろうか。




T)俺ね、きっと、もっと早く2人の背中を押すべきだったんだよ…




そう言って顔を伏せてしまう玉。
二人の間に立ち続けてきた分、見てきたものも多いだろうし、考えることも多いのだろう。





俺もあの日のことはずっと考えているし、何ができるのかとは思う。メンバーもみんな心配してる。


だけど俺は意外と大丈夫なんじゃないかなぁとも思ってる。
心配じゃ無いってことじゃない。けど、完全に心が離れてしまうということがあの2人には出来ないと思うから。
そういう道が用意されてないんじゃないかなぁ。
俺らの予想外の道にきたやんは進んだけど。








.









T)俊くん、



M)……ん？



T)俊くんは、大丈夫、だよね？



M)たま…




そんな不安な顔しないで。




M)大丈夫に決まってるでしょ。当たり前です！
それにガヤさんもきたやんも。
俺はきっと大丈夫だって思ってるよ。



T)…なんで。



M)ふふ、なんでも。



T)なんだよ、無責任。






無責任でもなんでも。あの2人だからね。
傷ついて、悩んで、そしたら何もかも受け止めて。
その後はきっと同じ道を選ぶはずなんだ。

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