オキナグサの行方

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T side


スタッフに呼ばれたミツは行ってしまった。
もう少ししたら俺も次の現場行かなきゃだし、結局何も聞けなかったな…
まぁ、次聞けばいいか。トイレいこ。




廊下を歩いているとミツマネのさとーちゃんが電話してる。
俺に気付くと会釈して、そそくさと立ち去ってしまう。






なに？聞かれちゃまずいってこと？






気付かれないようにそっと後をつける。


人気のない廊下の隅。声が小さくてきこえない
けど




佐)本人がやると…はい……の検査では特になにも………んせいからは問題ない………はい、様子見で……




検査？先生？
え、病院にいたってこと？なに、検査って




佐)…きゅう車に乗ったことも、なぜそうなったかも本人は分からない、と………いえ、そういったことでは……




は？救急車って、倒れてるじゃん
やべーやつじゃん
なんで黙ってんの




佐)…山はメンバーには言わなくていい………はい、ほん…が分かってないこと……かけるだけだからと………急なコメント撮りだったということに……




ミツ、ね。やりそうだわ。




佐)はい、では、終わり次第……




あ。やべ。電話終わっちゃう、さっさと戻らないと。





そろそろと来た道を戻りトイレへと逃げ込む。



え、何だった、いまの話は。





倒れて？救急車で運ばれて？病院で検査して？ここに来たってこと？しかも本人なんで倒れたか分かんない？



なに、それ。意味分かんない。



昨日は俊くんとご飯に行ってたはずだ。俊くんなら何か知ってる…？
あぁ、今日はこっちじゃないじゃんあいつ。役に立たないなもう！





たまぴよでんわしろ






それだけ連絡を入れる。






最近おかしいことだらけだ。
明確に見えるものじゃない。
でも確実に何かが変わってる。
しかもよくない方向に。






ねぇ。みつ、何が起こってるの。







携帯が震えた。


俊くん？と思ったがやまぐっちゃんだ。時間か。
嫌な空気を振り払いたくて頭を振って、楽屋へ戻った。

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