第十四話。 ページ15
「おい、聞いてんのか？」
ついにウルキオから指摘を受けてしまった。
しかし悪いのは能力を使って私の集中力を削いだウルキオ、お前だ。
「のうりょくちゅかうからきがちる。」
「ワガママなチビめ。こうしたほうが俺の能力についてわかりやすいだろ。」
今はその逆だよ。全く頭に入ってこねーよ。
「ハァ…とりあえず、なんで俺がこんな力を持ってるのかはわからねーけど、風魔法でほかの魔法の能力も使えるってことだけ覚えときゃいいから。」
ため息吐きたいのはこっちなんだよ…という思いは心に秘めたままにしておいて、
黙ってコクリと頷いた。
ところで一つ疑問なんだが。
「なんれおまえはじゃいしぇーれーなったの？」
そもそも大精霊と精霊の区別の仕方は？
今までは、精霊と大精霊はまた別のもので、精霊よりも大精霊の方が遥かに優れている
というものだと思っていた。
しかし、ウルキオの話を聞く限り、
大精霊というものは元々”精霊”だということになる。
だとしたら精霊が大精霊になるのは、一体どういう理屈なのだろうか？
「あぁ？俺が大精霊になった理由？知らねーよ。俺サマが強いからじゃね？あと、風の大精霊って席が空いてたから？」
そんな単純な理由でいいのか…。
「俺も詳しくはわかんねーんだよ。気が付いたら大精霊になってた。」
「じゃあ、じぶんがじゃいしぇーれーだってことはいちゅきじゅいたの？」
「なんとなく？」
おい、そのフワッとした設定で今後を乗り切るつもりか。
あー、全くもってわからん！この世界はなんでこうもわかんないことだらけなんだか。
…まぁ、でも。
「ふぁ〜あ。」
だらしなくあくびを零すウルキオを横目でちらりと見る。
この出会いは結構良いものだったかも。
ウルキオはトクベツだ。
そして、私も特別だ。
そんな私達はきっと、互いを頼るときがいつかやってくる。
私の場合は、主人公が大精霊ヴェナードの力を手に入れてしまった時に。
ウルキオの場合は…私にはわからないけど。
でも、私達が特別である限り、そんな未来は必ずやってくるのだろう。
ところで…。
「いちゅになったらわたちをゆりかごにもどしゅの？」
さっさとゆりかご戻して私を入れろや…。
「あー…忘れてたわ。」
そう言ってウルキオがパチンッと指を鳴らすと、風が私とゆりかごを包み込み、元に戻してくれた。
うん！
「へやももどしぇよ。」
さっきお前散らかしただろ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 40人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ポチ - そうだったんですね。ごめんなさい。こちらこそ、勘違いしました。明日も寒いらしいので体調には気を付けて下さい。 (2023年2月15日 17時) (
レス) id: 07a8a54005 (このIDを非表示/違反報告)
キル坊(プロフ) - ポチさん» お久しぶりです。こちらは復讐ものの小説の中に入ってしまった主人公のお話であり、この小説自体が復讐系のお話なわけではないです…。申し訳ありません。 (2023年2月15日 16時) (レス) @page27 id: a4a1b981d8 (このIDを非表示/違反報告)
ポチ - こんにちは。お久し振りです。こちらも復讐系ですか。私、復讐系好きですよ。 (2023年2月15日 14時) (レス) id: 07a8a54005 (このIDを非表示/違反報告)
キル坊(プロフ) - 桜都葉さん» あはは。あー、私もそのくらいしか覚えてませんよ。（※一応作者です）そもそも覚えられないような名前をしてるのがいけないんです（※名前を考えたのはこの人です）はい！更新頑張ります！ (2023年1月30日 13時) (レス) id: a4a1b981d8 (このIDを非表示/違反報告)
桜都葉 - キル坊さん» あ、なるほど。二人じゃなくて良かった。(←ちょっとコイツ罰あたり)登場人物…恥ずかしながらレオンフィーナちゃんとウルキオしか覚えてない…。神の名をすべて忘れた！なぜだ！？(←罰あたりだし、頭の容量少ないから)更新、頑張ってくださ〜い！ (2023年1月29日 0時) (レス) @page17 id: 16abf5aa00 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：キル坊 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/okitakarum1/
作成日時：2022年12月28日 14時
