悪役令嬢、魔王目指しま〜っす。

第十五話。 ページ16

ウルキオとの出会いからまた時間が経って、私はもう普通に話せるようになった。


そして、なんと！私！歩けるようになりました！


やはり普通の赤子より成長速度が速い。尋常じゃなく。


まぁそのおかげで私の筋肉増強計画は順調だ。


「お前またそれやってんの？最近歩けるようになったばっかだろ？大丈夫なのか？」


ウルキオが私を見下ろす形でそう問いかけてくる。


私が今何をしているのかというと。


皆さんご存じ、腹筋運動です。


いややっぱ筋肉と言ったら腹筋じゃん？


「腹筋する赤子って…もはや恐怖映像だろ。お前何者なんだよ…。」


「だから、異世界人。」


「そのフワッとした設定で乗り切ろうとするな！！」


「お前もやってただろ！！」


なんていうウルキオとの言い争いは日常茶飯事。


こんな大声出しても私の部屋の近くには人が来ないから問題なし。


いやぁ、嫌われ者って案外得することもあんのね。びっくり。


それにしても。


「やっぱ私って異常？」


「何もかもが異常だよ。そもそも喋れる赤子っていう時点でそれはもう赤子じゃねぇ。」


まぁ中身は独身大学生だから赤子ではないんですけど。


「やっぱりそうだよねぇ…おかしいよねぇ…。」


「お前、ぜってぇバケモンだよ。きっと。」


「違うよ、私の成長速度が速いのはトリップ特典があるからだよ。」


「また訳の分からないことを…。」


うん！みんな、これからはえ、こんなのあり得ないじゃん、って思ったら、


まぁ、トリップ特典って奴だよね！って思ってくれ。


だって、考えるのめんどいから！


身も蓋もない理由だけど、めんどいから！


まぁでも、私が生まれてからかなり経ったよね。


外には出してもらえないし、使用人も私には文句しか言わないから、


初めのうちはなんとなくわかってたけど、今じゃどれくらい経ったのかなんてわかりゃしない。


ウルキオに聞いても、知らねー、としか答えないから意味ないし。


そもそもこの世界の時間の進み方は日本の暦と一緒だと思っていいのだろうか？


この世界にも四季とかそういう概念あるんだろうか？


んー…桜みたいな花が咲いてるシーンとかもあったから、一応あるのかな。


しっかしまぁ…相変わらず公爵は私に会いに来ないね。


まぁ…私もあんなのを父親だなんて思いたくないからいいけど。


漫画の中での公爵とレオンフィーナもそうだった。


いや、レオンフィーナは父親に愛を求めてたか。


でも、公爵は…。

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