第十三話。 ページ14
「そのお話では、全てを司る神様、アルファイブは力を授けていないことになってる。けどある日、不思議な力を持っている精霊が生まれた。」
不思議な力?それはつまり…。
ウルキオはどこか寂しさを含んだ瞳で話を続ける。
「その精霊は、あり得ない力を持っていた。だからその精霊の両親は、きっとアルファイブ様から直々に力を授かった子なんだと喜んだ。だが…。」
え、待って。精霊の両親って言った?
精霊って、両親とかいう概念あるの!?
なんかこう…ポアッと勝手に一人で生まれるもんだと思ってた…。
両親ってことは、精霊の生まれ方は人間に近いってこと…?
聞きたいけどめっちゃ真面目に話してるし…なんか言い出せないな…。
「ほかの精霊はそうは思わなかった。いや、ただ、自分にはないものを持っているってことで嫉妬に近い思いを持っていたのかもしれない。」
ウルキオは悔しさの滲んだ顔で言葉を紡いだ。
「やがてその精霊と両親は、精霊界を追い出される羽目になり、精霊の両親は呆気なく人間の山賊に殺された。」
…人間の山賊に。
なら、人間を恨んでいても不思議じゃないのに…
なんで私と契約なんてしたんだろう。
それは本当に単なる好奇心なのだろうか?
私にはわからないけれど。
ていうかそれアンタの身の上話であって、アンタの能力の説明ではないよね?
「まぁここまで聞いてもうわかってると思うが、その精霊とは俺のことだ。」
それはとっくの昔にわかってんだよ。
そうじゃなくておめーの能力の説明をしろっつってんのよ、こっちは。
「さて、お待ちかねの俺の能力についてだ。」
ようやく本題に入ったか。
ウルキオは風を操り、私に見せつけながら話を続けた。
「お前も知っての通り、俺は風の精霊だ。」
風が私の頬を擽る。
「だが俺は、精霊なのに、ほかの属性の魔法が使えた。いや、正確には、風魔法なのにほかの属性の能力が使えたと言うべきだな。」
パシャッと、水が私に掛かった。
オイ、赤子を濡らすんじゃねぇ。
「風魔法なのに、水や息吹、光の能力である治癒が使えたり、こうして風を水に変えたり…。」
今度は黒い風が部屋中に吹き荒れた。
「風魔法なのに、こうして闇を纏った風を扱えたり。本来はあり得ないはずの能力が、俺にはある。」
風が止む。
お前のせいで部屋がめちゃくちゃになったぞ。どうするつもりだ。
ウルキオが能力使うせいで気になって話が頭に入ってこない…。
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ポチ - そうだったんですね。ごめんなさい。こちらこそ、勘違いしました。明日も寒いらしいので体調には気を付けて下さい。 (2023年2月15日 17時) (レス) id: 07a8a54005 (このIDを非表示/違反報告)
キル坊(プロフ) - ポチさん» お久しぶりです。こちらは復讐ものの小説の中に入ってしまった主人公のお話であり、この小説自体が復讐系のお話なわけではないです…。申し訳ありません。 (2023年2月15日 16時) (レス) @page27 id: a4a1b981d8 (このIDを非表示/違反報告)
ポチ - こんにちは。お久し振りです。こちらも復讐系ですか。私、復讐系好きですよ。 (2023年2月15日 14時) (レス) id: 07a8a54005 (このIDを非表示/違反報告)
キル坊(プロフ) - 桜都葉さん» あはは。あー、私もそのくらいしか覚えてませんよ。(※一応作者です)そもそも覚えられないような名前をしてるのがいけないんです(※名前を考えたのはこの人です)はい!更新頑張ります! (2023年1月30日 13時) (レス) id: a4a1b981d8 (このIDを非表示/違反報告)
桜都葉 - キル坊さん» あ、なるほど。二人じゃなくて良かった。(←ちょっとコイツ罰あたり)登場人物…恥ずかしながらレオンフィーナちゃんとウルキオしか覚えてない…。神の名をすべて忘れた!なぜだ!?(←罰あたりだし、頭の容量少ないから)更新、頑張ってくださ〜い! (2023年1月29日 0時) (レス) @page17 id: 16abf5aa00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キル坊 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/okitakarum1/
作成日時:2022年12月28日 14時