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第十話。 ページ11

「…お前、性格悪いって言われないか?」


悩んだ末に、ウルキオは顔をあげて私にそう言った。


性格悪い、ねぇ…。


私はニヤリと笑った。


「あたりまえれしょ、わたちはあくやくれいじょーしゃまなんらから。」


そう、私は。


なんてったって、この世界の悪役令嬢様なんだから。


これくらい性格悪くてなんぼなんだよ。


「はぁ?お前ってホント意味わかんねー…。」


そう言ってウルキオはまた頭を抱える。


あっはっは、私よりもこの世界の方が意味わかんないと思うがね!


「で、けっきょくどうしゅるの?」


私はにっこりと笑ってそう聞いた。


「…ハァ〜、どうしたもんかな…。」


お前まだ悩んでたんか。顔あげたからもう決めたのかと思ったじゃねーか。優柔不断な奴め。


でもまぁ、無理はないか。


ただの好奇心で、自分の秘密を暴露するなんて、バカバカしいことだ。


だが、好奇心というのはそう簡単なものではない。


気になる。


たかがそれだけのことで、人間はあっさりと誤った道へ進んでしまったり、


もしくはまさかの大成功を収めることもある。


まぁ今好奇心と戦ってるコイツは人間じゃないがね。


ギャンブルに手を染める輩も、自分の理性よりも自分の好奇心が勝ってしまった結果なのだ。


もしかしたら。


そんな曖昧なものに囚われた者は、気になる、という好奇心の鎖に捕まってしまう。


でも、好奇心があるのは悪いことではない。


どうなるかはその人次第、ってことだ。


「…ハァ。」


おっと、そうこうしている内に、ウルキオは心を決めたようだ。


何度目かわからないため息を吐いたウルキオは、私の元へとやってきた。


「…俺は関係のない奴に秘密を話したくはねぇし、話す気にもならない。」


「へぇ。」


これは拒絶?いいや、違うね。


「だが、お前の秘密は知りたい。だから…。」


ウルキオは私の手を取ると、手の甲にキスを落とした。


「お前を関係のある奴にしてやる。」


そう言いながら、ウルキオはニヤッと笑った。


ウルキオがしたのは、契約の儀だ。


本来はもっと大掛かりにやるものだが、ウルキオは簡易的なもので終わらせた。


これで私はウルキオの契約者、つまり。


ウルキオの関係者となった、というわけか…。


「よくぶきゃいやちゅめ。」


「お前ほどじゃねーし。」


生まれて数か月。


私は今日、初めて


大精霊と契約しました。


は〜い、これで死亡フラグから一歩遠のきました〜イエーイ。

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設定タグ:ファンタジー , オリジナル , 悪役令嬢   
作品ジャンル:ギャグ, オリジナル作品
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ポチ - そうだったんですね。ごめんなさい。こちらこそ、勘違いしました。明日も寒いらしいので体調には気を付けて下さい。 (2023年2月15日 17時) (レス) id: 07a8a54005 (このIDを非表示/違反報告)
キル坊(プロフ) - ポチさん» お久しぶりです。こちらは復讐ものの小説の中に入ってしまった主人公のお話であり、この小説自体が復讐系のお話なわけではないです…。申し訳ありません。 (2023年2月15日 16時) (レス) @page27 id: a4a1b981d8 (このIDを非表示/違反報告)
ポチ - こんにちは。お久し振りです。こちらも復讐系ですか。私、復讐系好きですよ。 (2023年2月15日 14時) (レス) id: 07a8a54005 (このIDを非表示/違反報告)
キル坊(プロフ) - 桜都葉さん» あはは。あー、私もそのくらいしか覚えてませんよ。(※一応作者です)そもそも覚えられないような名前をしてるのがいけないんです(※名前を考えたのはこの人です)はい!更新頑張ります! (2023年1月30日 13時) (レス) id: a4a1b981d8 (このIDを非表示/違反報告)
桜都葉 - キル坊さん» あ、なるほど。二人じゃなくて良かった。(←ちょっとコイツ罰あたり)登場人物…恥ずかしながらレオンフィーナちゃんとウルキオしか覚えてない…。神の名をすべて忘れた!なぜだ!?(←罰あたりだし、頭の容量少ないから)更新、頑張ってくださ〜い! (2023年1月29日 0時) (レス) @page17 id: 16abf5aa00 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キル坊 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/okitakarum1/  
作成日時:2022年12月28日 14時

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