元姉さん

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､



新｢あ､沖田さんこんにちは｣

総｢眼鏡じゃねェか､買い物か？｣



卵が安かったので､と返す



新｢そういう沖田さんはサボりですか｣

沖｢違いまさァ､団子屋の安全を守ってるだけでィ｣



団子の串を咥えだるそうに答える沖田に苦笑いの新八




新｢じゃあ僕も少し休憩していこうかな､隣いいですか？｣

沖｢だから休憩じゃねーって､別に構いやせん｣





許可を得た新八は買い物袋を横に置き沖田の隣に座った





総｢土方にチクるんじゃねーぞ｣

新｢わかってますよ｣



怒られるのを想像しているのか不機嫌そうな顔を見せる沖田の横顔を新八はぼーっと見る



(...似てるなあ)





数週間程前に知り合った沖田の元姉であった彼女に｡





総｢あ？何こっち見てんでィ｣

新｢っあ､いや､お姉さ...あ｣




慌てて滑った口から出た言葉




総｢姉上がどうしたんでィ｣


(...あれ､Aさんの方じゃないんだ)





新｢えーと､沖田さんのお姉さんに似てたから､みたいな...｣

総｢...そうかィ｣





ふ､と顔を綻ばせた沖田､一瞬だったがその顔はAにそっくりだった







新｢お姉さんとの思い出とか､良かったら教えて貰えませんか｣

総｢なんでィ急に｣

新｢弟同士共感できるものがあるかなって思って...あはは...｣




(不自然だったかな...？)





黙り込んだ沖田に焦る新八､地雷を踏んでしまったのだろうか






総｢...そうですねィ｡俺ァ武州にいた頃はずっと姉上にくっ付いてやした､離れたくなかったんでィ｣

新｢あーそれ､僕もでした｣


総｢思い出つったら....栞｣

新｢栞？｣

総｢姉上に作ったことがあるんでさァ､そん時の喜んでくれた顔は忘れねェだろうな｣










その姉上の中に彼女は含まれているのだろうか｡



















新｢1つだけ､？｣



はっと我に返った新八､無意識に聞いていた質問に沖田の顔が曇る





沖｢どういうことでィ｣

新｢あーいや､栞にも種類があるから沢山作ったのかなって｣



(だ､大丈夫...上手く交わせたはず)




沖｢...あァ､姉上1人のためにしか作ってませんぜ｣




何故わさわざ姉上1人､などと言ったのか､





新｢そ､ですか｡僕も姉上の喜んだ顔は好きです｣


沖｢柄にも無いこと言いやした､忘れてくだせェ｡じゃそろそろ土方さんにドヤされるんで帰りやす｣




立ち上がり歩き始めたのを呼び止める




新｢苺､好きですか？｣















沖｢...嫌いでィ｣

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