Abenteuer ページ16
燐音side
きゃああ、と耳元で叫ぶオヒメサマを見て、俺の思考は熱を帯びていった。
「そんなの誰だって体験したことなんかねえよ、これから始まるんだよ、お前の冒険が！ビビってねえで目開けろ、お前がずっと行きたがってた世界じゃねえのか！」
オヒメサマに向けて言ったが、何処か自分に言い聞かせる部分もあった気がする。
始まったのはオヒメサマの冒険だけじゃない。
きっと俺の冒険も始まっているのだと、言った瞬間に感じた。
一歩しか地面を踏んでいないくせに感動しまくっているオヒメサマを見て、本当にコイツは外に出たことがなかったんだな、と驚いた。
だが、まだ塔を降りて来ただけだ。
ここで捕まったらあのワインレッドの髪の男は何をするか分からない。
跳ぶ瞬間にチラッと見えた男の目は憎悪と狂気で満ちていた。
やっぱりただの親子ではないな、とかまあこんなところに住んでる時点でただの親子ではないか、とか考えながら一声かけて、オヒメサマの手を引き走り出す。
『ちょ、ちょっと！！これからどうするの？冒険って言ったって、お父様から逃げ切れるかしら、、、やっぱり私戻った方が、、、』
「はぁ？椎名ちゃんみてえになるんだろ？俺がそれを叶えてやる。約束しただろうが！」
『でも、、、私、事の重大さを分かってなくって、、、』
「大丈夫だ。約束は守る。言っただろうが、さっきも、塔の中でも。外に出て遊んで自分の人生を生きる、だったか？」
『覚えてくれてたの？』
「なんでもやるって約束したからな。お前は匿ってくれた。次は俺の番だろ？」
『天城燐音さん、、、』
「燐音でいーよ、堅っ苦しい。まあ取り敢えず、逃げ切らなきゃなァ。」
そう言って指笛を吹いた。
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抹茶あずき(プロフ) - うさぎ。さん» ありがとうございます！天才だなんてそんなそんな！！気ままに亀更新ですが完結まで見守ってやってください！ (2022年6月26日 11時) (
レス) id: 48ffd5edd8 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ。(プロフ) - 物語を作る天才ですか……？私もラプンツェルが好きなのでとっても嬉しいです!!更新頑張ってください!!続き楽しみにしてます！ (2022年3月26日 19時) (レス) id: a393e3772d (このIDを非表示/違反報告)
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