Alarm ページ12
燐音side
瞬間、声がした。
高めの、よく通る男の声だ。
俺は焦りとか驚きとか、いろんな感情が混ざって、やっと絞り出した声が
「うぇっ」
だった。我ながら情けないと思う。
だがそれよりも、目の前のヤツの様子が気になった。
目をぱちぱちと閉じたり開いたりした後、うろうろと視線を彷徨わせ、そして、若干裏返った声で
「おかえりなさい！お父様！！今ちょっとものすごく手が離せないから、あの、えっと、もうちょっと待って〜！！」
と言った。
その慌てた仕草と、少し冷や汗をかいた肌、それから先程まで紅潮していたはずの頬がすっかり焦りに変わった表情から、なんとなく俺は、納得した。
ああそうか、お前も俺と、一緒だったんだなァ
そう思考を巡らせたのも束の間、俺は光の速さでクローゼットに突っ込まれ、俺の持っていた鞄をこちらへ投げ入れて、これまた光の速さで「絶対に喋らないで」と念を押して、勢いよくクローゼットのドアを閉め慌ててかけて行った。
狭いし暗いクローゼットの中だが、少し隙間が空いていたため、そこから部屋の様子を覗き見る。
窓から髪の毛を垂らし、何かを引っ張り上げている様子を見て、成る程、この高い塔はそうやって登るのかと思ったり、そういえば、髪が異様なまでに長かったなと今更ながらに思ったりした。
城の中と変わらないような暇な空間なはずなのに、不思議と心は退屈なんてしていなかった。
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抹茶あずき(プロフ) - うさぎ。さん» ありがとうございます！天才だなんてそんなそんな！！気ままに亀更新ですが完結まで見守ってやってください！ (2022年6月26日 11時) (
レス) id: 48ffd5edd8 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ。(プロフ) - 物語を作る天才ですか……？私もラプンツェルが好きなのでとっても嬉しいです!!更新頑張ってください!!続き楽しみにしてます！ (2022年3月26日 19時) (レス) id: a393e3772d (このIDを非表示/違反報告)
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