【進撃の巨人】私がオトされる筈がない！

素面 ページ36

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「あのっ、エルヴィン、ごめんね……！？」





　私が手を引かれながら謝ると、
ピタッとエルヴィンの動きが止まった。
急に止まったので、私は勢い余って
エルヴィンの背中にぶつかり、『ぶへっ』
と変な声が漏れた。




「……俺が来なきゃ彼奴に襲われていたじゃないか」




　私の手をぱっと放し、振り返るエルヴィンの
目付きは鋭かった。
やはり、本気で怒っているんだ。……どうしよう。

しかも、何を怒っているのかも解らない。
勝手に一人でずかずかと行った事？
上官の部屋に行った事？
男を弄んで居た事？
…………どれも悪い気しかしないが。




「……エルヴィン。何に怒ってるの？」


「…………彼奴がお前に近付いていた」




　え……。そっちなの？ 上官の事を怒っているの？
私じゃなくて？

……でも、元々の原因を作ったのは私だよね。





「エルヴィン。ご、ごめん」


「……素面(しらふ)で"大好き"って言ったら許す」




　素面！？ ぇえ！？
素面って事は、やっぱりお酒飲んでいる時に
変な事言ったのか……。しかも"大好き"だもん。

私、酔っている時、エルヴィンに言ったのか。
……じゃあ、私の気持ちなんて、ばればれじゃないか。





　でも、素直に言わないと、許して貰えないよね……。




「エ……、エルヴィン……だ、だ、だ……




大好き何て、言ってやんないんだから！！」


「……ハハハ、何時か言える日を期待しているよ」





　結局、素直じゃない私は言えなかった。

だけど、エルヴィンが笑ってるからそれで良いや。





　ああ、もう。エルヴィンの笑顔を見るだけで幸せ。
胸が暖かくなってくる。

私はエルヴィンが大好きで、初めてオトされたよ。









…………何て、言ってやんない！




て言うか、言えないんだから！！








Fin.

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