【進撃の巨人】私がオトされる筈がない！

料理 ページ30

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「お待たせしました」





　暫し待っていると、注文した料理がずらりと
テーブルに並べられた。

色鮮やかなお皿に綺麗に盛られたムニエル。
サイドにはホウレン草とコーンの炒め物が
盛り付けられている。
その並べ方には思慮深く感じられる。

ビーフシチューも負けておらず、色の濃い茶色のスープを
掻き回してみると、野菜が色の主張をし出す。

お洒落な印象のお店の料理も伊達じゃないなと思った。








「此方もどうぞ。……サービスです」




　そう言って、店員さんはコトッとテーブルに、
バターロールが二つ乗っかっているお皿を置いてくれた。
サービスが良いのか、
エルヴィンが師団長の知り合いだからなのか。
どちらにしろ、素晴らしい気遣いだ。






「……じゃあ、食べようか」




　少し緊張しながらも、私はスプーンを手に取った。
そして、ビーフシチューのスープを少し掬い上げ、口に運んだ。

味は見た目に衰えず、一流の様な味がした。
値段も内地の店にしては、とてもお手頃だ。
師団長も見る目が有るな。




　ちらりとエルヴィンの方を流し目で見てみると、
テーブルマナーは完璧だった。

フォークを逆手にして、
ナイフでフォークの背にソースを擦り付け、
鮭とソースを同時に味を堪能していた。
やはり、上の人間と食事をする時も有るから、
テーブルマナーは気を付けておかないといけないのだろう。





「……少し、貰っても良いか？」



「ああ、うん、良いよ」





　エルヴィンも、ビーフシチューをお勧めと言っていたし、
贅沢と言っていたので、食べたくなったのだろう。

あれ、でも、エルヴィンはナイフとフォークしか
持っていなくないか？





　モヤモヤと考え事をしていると、
私の右手を掴み、スプーンを誘導し、口に運んだ。

え。間接キ………………。




「うん、やはり、旨いな？ ガーネット……」





　エルヴィンが此方を見てきた時、
私は熱が有るかの様な暑さに襲われた。
……それも、顔だけだ。
その反応に、エルヴィンも
どう対応して良いか解らず、沈黙が続いた。





　一応、付き合ってはいないんだが、
もうそんな事はどうでも良くなってくる。


どうでも良くなる程、エルヴィンが大好きだ。








　……自分も色々と素直になったものだ。

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