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「…で、できちゃった。」

かわいくラッピングしたピンクの袋に思わず手が震えた。ウサギのプリントがしてある、割とかわいい奴だ。これを今から氷室君に…

「むっ、無理だぁあ」

1人でなんて恥ずかしすぎる。やっぱり、楓ちゃんについてきてほしかった。けれど、

「女は度胸や!!」

家庭科室から締め出されてしまった。なんでやねん。…そんなことを思っても仕方がないので、1人寂しく体育館に向かった。
体育館に向かいながら、氷室君のことを考える。…喜んでくれるかな?そんなことを考え自然と笑みがこぼれる。

「えへへ…」

だが、同時に『紫原くん』を思いだし、思わず顔をしかめる。正直会いたくない。でも、私は氷室君に用事があるんだ。目を合わせなければ大丈夫だろう。
そう思い、角を曲がると…

「…っわぁ!!」

思い切り何かに躓き、盛大に転んでしまった。膝がじんじんと痛む。だが、そんなことにかまっている暇などない。

「…クッキーが!?」

…どうやら無事のようだ。体を張って守ったので、形ひとつ崩れていなかった。「よかった…」と安堵に満ちていると…

「…く、クッキー…?」
「…へ?」

声のしたほうを見た。そういえば、私。何かにつまずいて__
下を見て思わず、奇声を発した。

「きゃあああぁあ!??」
「…タベ…た、い」

体の大きな人が地面に倒れていた。その人は、今にも消え入りそうな声で「お菓子…」とつぶやいていた。すると、ぎゅるるととても健康な音が聞こえた。

あ、なんだ。お腹すいてるだけか。
…どうしよう。とその人の顔をもう一度よく見た__

__あれ?
その紫色の髪に見覚えがあった。っていうか、忘れるはずがない。

「紫原くん?!」
「…もう無理…死ぬ」

私、この人につまずいたの…?
紫原君はパタリと倒れて動かなくなった。え…死ん…なわけないか←

一瞬どうしようか、と迷ったが…






放っておこう。氷室君にもこれ渡さなきゃ。私がこの人を助ける義務なんてないんだから。
そう思い、その場を離れようとしたが…

「うぅ…」
ホントに苦しそうだった。

ついに、見ていられなくなり…

「…あの、これいりますか?」

すると、彼は勢いよく起き上がった。めちゃくちゃ元気じゃねえか、おい。
あーあ。クッキー無駄になっちゃったなぁ。と少し落胆した。


…なんか、負けた気分。
こんな、お人よしな自分がキライです。

*。9→←*。7



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莉弥(プロフ) - これ、なまえ変換きかないんですか?? (2016年3月25日 0時) (携帯から) (レス) id: aa7d841247 (このIDを非表示/違反報告)
水島リツ(プロフ) - ミユウさん» あざます…wコメントわざわざありがとう^^* (2015年5月2日 0時) (レス) id: 1b884eaa7e (このIDを非表示/違反報告)
ミユウ - 二人ともイケメンだし、主人公いい人だし…それに話の展開とかも結構好きだよd( ̄  ̄) (2015年5月1日 23時) (レス) id: f62038dd2e (このIDを非表示/違反報告)
奏*(プロフ) - るーしーさん» はいいっ!!頑張ります!頑張らせていただきまっすwwコメントThank you (2014年8月28日 16時) (レス) id: 1b884eaa7e (このIDを非表示/違反報告)
るーしー(プロフ) - 楓ちゃんがたまに今吉さんに見えますww 完結まで読ませていただきます!頑張ってください! (2014年8月28日 14時) (レス) id: 4558271b77 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水島リツ | 作成日時:2014年7月1日 20時

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