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チュンチュン…
「ん…」
ああ、もう朝か。しかし鳥のさえずりで目覚めるなんて珍しいな。今日は何かあるのだろうか。俺は重い体を起こし、鏡を見る。我ながらひどい顔だ。髪はボサボサで寝癖だらけ、目の下にはうっすら隈だってある。もっと女の子らしくなれないものか。
朝ごはんを作る為にキッチンへと向かう。するとカノが珍しく早起きしていた。
「あっ、おはよーキド!」
「ああ、おはよう。」
「朝ごはん、作ってあるから顔洗ってきなよ。」
「わかった。」
カノが早起きなんて、しかも朝ごはんまで作るなんて、今日は鳥のさえずりといい不思議だな、なんて思いながら洗面所で顔を洗う。ついでに寝癖もなおす。少しはマシになったかな。

「いただきます。」
カノの作った朝ごはんは美味しかった。
ご飯と魚、ホウレン草のおひたし。少し薄味の味噌汁はワカメと豆腐入り。
「どう?美味しい?」
「とっても美味しいぞ。」
「そう?良かったー!」
「しかし、どうしてこんな早くから起きているんだ?まして朝ごはんまで作ってくれるなんて。珍しいな。」
「まあね。たまには僕もキドのお手伝いしなくちゃと思ってさ。」
「そうか。…ありがとう。」
ありがとうが意外だったのか、カノは大きい目をさらに大きくした。
「うん!」
「ごちそうさまでした。」
食べ終わって食器を片付ける。すると後ろから声がした。
「ねえキド、今日暇?」
「暇だが、どうしたんだ?」
「だったらさ、今日出掛けない?デート。」
「ッデデ、デートぉ!?」
「あれ?イヤなのー?」
「いっ、嫌なんて言ってない‼」
「じゃあ決まりねっ。とびきり可愛い格好でよろしくね。」
反射的に脇腹をどついてしまう。
「ウグッ、ごめんってば。いつもの格好でいいからさ。」




自分の部屋のクローゼットの前でどの服にしようか迷う。 「普通の格好でいいからさ。」
カノはそう言っていたけど、出かける時くらい違う格好にしようと思う。
「とびきり可愛い格好…か。」
今着ているのはブラウスにグレーのカーディガン、白いシフォンスカート。髪もしっかりブローする。変じゃないかな、少し心配だけど自分の中では最高傑作だろう。


「…カノ、お待たせ…」
「キド?」
さあ、カノは可愛いって言ってくれるかな。
いつになく俺の胸はドキドキと高鳴っていた。







続く

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作成日時:2016年11月22日 16時

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