□47話■ ページ17
□Aside■
父「何をしていたか、わかってるのか？」
義母に見つかったあたし達は
父の帰宅後、両親の前に座らされた。
父「お前らは血が繋がっていないとはいえ、兄妹なんだぞ？」
A「はい…」
父「どうしてこーいうことになったんだ」
父は、さっきから何度目かの溜息をついて
義母も父の隣で悲しい顔をしていた。
なんて言えばいいのかわからず
ただ黙っていると、隣のトモキが口を開いた。
トモキ「…Aが、僕の事を好きだと言ってきて」
A「えっ…？」
トモキ「抵抗したんですけど、無理やりキスされて…」
なに、言ってるの？
確かに、好きだと言ったけど
貴方もあたしの事好きだよ言ったよね…？
今まで散々、あたしを振り回してきたのは
どこのどいつ…？
父「はぁ…挑発にのる君も君だ」
トモキ「はい、すみませんでした」
A「待って、お父さん…」
父「A」
その時のお父さんは
今まで見たことがないくらい険しい顔をしていた。
父「俺は、お前をやっていいことと悪いことの区別がつくように育てたはずだ」
A「違うの、お父さん聞いて…」
父「もういい。全く…どうしてそんな風に育ってしまったんだ…」
そう呟いたお父さんの言葉を聞いて
目の奥が熱くなって、目に涙が溜まった。
なんで…なんで聞いてくれないの？
今まで、お父さんのために
家事だって、なんだって頑張ってきたのに…。
その後、リビングを出て聞く時
ドアガラス越しに見えたトモキの顔をみて、ぞっとした。
A「っ…」
彼は、あたしに罪を擦りつけて
犯罪者にしたあたしの事を、嘲笑っていたのだ。
何処かで、信じていたんだと思う。
他の女の子と遊んでたって
結局はあたしの元に戻ってきてくれるんだって。
あたしで遊んでても、
結局は同じ気持ちでいてくれてるんだろうって。
いざとなったら、
あたしを守ってくれるんだろうって。
この時、やっと目が覚めた。
そして、全てを理解した。
あたしは完全に、遊びだったんだと。
あたしはこいつに
なにを期待していたんだろう…
そう考えると、全てがバカバカしくなった。
.
それからの日々は
家族に見放されながら過ごす日々で
あたしの居場所はどこにもなくなって
大学入学と同時に
あたしは、その家を出た。
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作者名：爽歌。
| 作成日時：2017年5月9日 16時
